鏡と夜桜と前世の恋
「お願いします、鈴香を返してください… 」
蓮稀はまだ諦めず。何度も何度も、土下座してまでおすずに頼み込むが、おすずは聞く耳持たず、手に持っていいた水を蓮稀にぶち撒ける。
「すず… 」
「二人共私のだって言ってるだろう!!」
「お前は私に恩もないのかい!小さな頃から使用人として2人を見て、世話を焼いてきたのはこの私… 勝手に現れた身分が高いだけのお嬢様が、咲夜さんと蓮稀様から愛されるなんて外道そのもの… 外道なら外道らしく死んだらいいんだよ!!清々するよ!!」
呼吸を荒げ、怒鳴り散らすおすずに対し蓮稀は黙り込み… それでも諦めずに頭を下げ続ける。
「すず頼む…」
「どこまでもしつこい男だねえ… そんなに返して欲しいのかい。私に着いてきたら鈴香さんの洋服や身に付けていたものくらいは返してあげても良いけどねえ〜」
蓮稀はおすずの言葉を疑う事なく顔を上げ " お願いします、鈴香を… " と、おすずに着いて行った。