優しく笑う君が好きだから
今日は、早乙女さんが学校を休んだ。体調が悪いのだろうか。もうすっかり早乙女さんの虜になっていた僕は、ただ心配だった。1歩踏み間違えれば軽度のストーカーと呼ばれそうなそうなほど早乙女さんを目で追うようになっていた。気づけばいつも早乙女さんが視界に入っていた。昨日は元気そうにしていたのに。課題を進めているフリをして、ぼんやり窓の外を眺めながら、そんなことを考えていた昼休み。
「えっそれな!ルナもずっと思ってたんだよね〜」
急に大きな声が聞こえて自分だけの世界から引き離された。その声が聞こえる方に、ゆっくり目を向けると、あの日早乙女さんに学級委員長を押し付けた藤原さんたち女子4人組が楽しそうに笑っていた。でも、4人の笑った顔は誰1人、早乙女さんのような綺麗で透き通っている笑顔ではなかった。歪んでいるように見えた。次の瞬間その嫌な勘は的中した。
「ずっといい子ぶってるから、ミカ早乙女のこと大きらーい」
「ハルナも思ってた〜」
「アヤネも〜みんな一緒だねー」
分かってはいた。あの4人組が早乙女さんを嫌っていることを。だけど、偏見が生み出した偽物の早乙女さんに対して、彼女たちは本物と区別をつけないままに悪口を放った。この教室中に。僕の身体中に。この空間に居続けることが出来なくて、特に行き先を考えずに、ほぼ無意識に教室を出た。そして、いつのまにか自分のバスケ部の部室にたどり着いていた。結局昼休みは部室で気持ちの整理が追いつかないままただボールを眺めていた。
「えっそれな!ルナもずっと思ってたんだよね〜」
急に大きな声が聞こえて自分だけの世界から引き離された。その声が聞こえる方に、ゆっくり目を向けると、あの日早乙女さんに学級委員長を押し付けた藤原さんたち女子4人組が楽しそうに笑っていた。でも、4人の笑った顔は誰1人、早乙女さんのような綺麗で透き通っている笑顔ではなかった。歪んでいるように見えた。次の瞬間その嫌な勘は的中した。
「ずっといい子ぶってるから、ミカ早乙女のこと大きらーい」
「ハルナも思ってた〜」
「アヤネも〜みんな一緒だねー」
分かってはいた。あの4人組が早乙女さんを嫌っていることを。だけど、偏見が生み出した偽物の早乙女さんに対して、彼女たちは本物と区別をつけないままに悪口を放った。この教室中に。僕の身体中に。この空間に居続けることが出来なくて、特に行き先を考えずに、ほぼ無意識に教室を出た。そして、いつのまにか自分のバスケ部の部室にたどり着いていた。結局昼休みは部室で気持ちの整理が追いつかないままただボールを眺めていた。