甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
「確かに、こだわる必要はないです。ですが、街から離れたこの場所に、人を呼び込むには、インパクトと魅力あるものがないのは事実ですよ」
「だ、だから、それを考えるのが君たちの仕事だろう」
「えぇ、こちらの小柴が主催者側、出店側のことも考えて、お客様に楽しんで喜んでもらうにはとラーメン祭という企画を提案したのです。小さなお子様から年配の方まで、ラーメンというキーワードに反応します。食べに来て、ついでに内見して見ていこうと思わせるように、中央広場でと考えております。駐車場でとそちらからのお話ですが、車できた方々の車はどこに駐車されるのでしょう?」
「だから、駐車場の端に出店させて、中央に車を駐車させればいいだろう」
「ラーメンでなくても構いませんが、行列に並ぶお子様がじっとしていられると思いますか?駐車場内を走り回るかもしれませんよ。もし、万が一があったら、そちら側が責任を問われる事になります。駐車場は本来の使用目的通り来店された方々の車を止めるべきで、中央広場を開催会場にするべきです。そうすることによって、足を止めて内見して頂けるとは思いませんか?」
「確かに…」
そう頷いたのは若林さんだが、上司の方は渋い表情のままだ。