甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
この人がほしい
体だけじゃなく、心も全てほしいのだ。
嫌われる心配をして、後悔するぐらいなら砕けてしまえと、その場の勢いだった。
「はあぁ…このバカ女」
おでこに痛いデコピンが飛んでくる。
「打ち上げ終わったら、お仕置きだからな」
「なんですか、それ?私の告白の返事は?」
立たせてもらいながら、猛抗議。
「お前、全然わかってない。俺がすることの意味を考えろって言ったろ。ほんと、俺の頑張りが届いてないとか、ムカつく。だから、今は言わない」
「返事くださいよ」
なんとなく、察するが、ほんと言葉がないと実感できない。
「ほら、これ待ってよ。さっさと打ち上げ終わらせて…『お前を愛したい』」
甘さを含んだ艶やかな声に震え、期待でゾクリと甘い疼きがはしる。
高山チーフと若林さんでは、私の体は、こうも違うのだと、改めて、この人が好きだと実感させられたのだ。
「待ってください」
さっさと運搬車に向かってしまった高山チーフを追いかけるのだ。
私の足取りは、先ほどまで若林さんのおかしな思考に震えていたとは思えないほど、軽やかだ。
私は、高山 健斗以外の男なんていらない。
そして、私は高山 健斗のもの。
彼以外は、私を愛することはできないのだ。