甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
高山チーフが話しをして、私が注ぐ中、若林さんの視線を感じる。
無視をするわけにもいかず、注ぎに向かった。
「お疲れ様でした。若林さんのお力添えのおかげで、ラーメン祭はどのお店も大繁盛でとても喜ばれていました。あんなにたくさんの方に来ていただけるなんて、さすが、朝日ホームさんの住宅展示場ですね。会場を貸していただきありがとうございました」
「まぁね、最初はどうかと思っていたけど、うちの所でやって正解だったろ。他じゃ、失敗してたんじゃないか」
嫌な奴と、思いながら笑顔を作る。
「朝日ホームさんだから、できたんだすよ」
「だろうな。で、やっぱり、俺の方がいいだろう」
テーブルの下で手を握ってこられ、笑顔が引き攣る。
「若林さん、お疲れ様でした。担当があなたでよかったです。彼女も、よく、あなたにお世話になっていると感謝していました。お会いするのも今日までですが、プライベートで私達とすれ違った際は、私どもからご挨拶させてください」
若林さんは、頬をひくつかせて、高山チーフは、笑顔を張りつかせているが、目が笑っていない。
握られた手は、高山チーフの圧で離されて、ホッとする。