甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
「では、他にもご挨拶があるので失礼します。楽しんでいってください」
行くぞと、顎で促されて「若林さん、ご一緒にお仕事できて勉強になりました(いろいろと)機会があれば、お声かけさせてください。では、失礼します」
よほどのバカじゃない限り、高山チーフの会話で空気は読めただろう。
2度と会いたくないよ。
すれ違っても話しかけてくるなよ、だ。
出店してくれたお店の店主、全員出席とはいかなかったが、何人かいるので、お礼も兼ねてご挨拶に伺う。
ここでは、また、機会があれば声をかけてほしいと意欲的なので、また、違う会場で開催される時は、是非声をかけさせてもらうことを約束した。
どの席も賑わっていて、私達は、ラーメン店主と向こう側の数名の従業員と談笑。
参加された中に30前後の年齢の店主が数名いて話は弾み、ラーメン熱を熱く語り、高山チーフも上手に会話に入っていく。
このテーブルで、女性は私だけでポツンとしてしまうが、彼の隣は死守したい。
隣のテーブルで、虎視眈々と高山チーフの隣を狙っているアルバイトスタッフがいるのだ。
それに、テーブルの下で、嬉しいことに高山チーフから手を繋いできてドキドキしている。