甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る

あちこちから拍手を頂き、最後に主催者側の若林さんの上司の男性が、短い挨拶とそれぞれの発展と成功を祈って一本締めで解散となった。

参加者の最後まで沢内さんと3人でお見送り後、忘れ物がないか確認し、私達も解散となるが、沢内さんは、まだ飲み足りないようだ。

「高山さん、帰るんですか?もう一件行きましょうよ。俺、バイトの子達とずっと一緒だったから、ジェネレーションギャップってヤツですか⁈考え方の違いにもう、酔えなくて。俺、おじさん扱いですよ。数年すれば、俺の歳になるのに、酷くないです?」

「その割には、バイトの子、口説いてなかったか?問題起こすなよ」

「そこはわかってます。俺、一人としか付き合わない主義なんで」

当たり前のことを自信満々に言う沢内さんの頭を高山チーフは、小突いた。

「当たり前だ」

「えへへ」

どうやら、高山チーフにかまって欲しかっただけのようだ。

困ったワンコ男子だ。

「俺は一人寂しく休みを満喫します。じゃあ、お疲れ様でした」

『「お疲れ様」でした』

意味深に笑われて、なぜかガッツポーズ付きで手を振って帰っていく沢内さんを見送れば、自然と手を繋がれていく。
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