甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る

はぁぁとため息の後、ぎゅーと抱きしめられる。

「バカだな。そんなの可愛いだけだろ。お前の両親だから、悪くいいたくないけど、愛が深くなかったんだよ。俺の愛は根深い。なんなら、底なし沼並みに、お前だけに溺れてる。嫉妬しろ。俺も嫉妬するし、なんなら、誰にも合わせないで家で閉じ込めてたい。だけど、そこまでしたら、嫌われるからな…しないけど。兎に角だ、お前が思うほど、俺の愛は軽くないってこと。わかった?」

「…嫉妬して、健斗の行動全て知らないと気がすまない女になってもですか?」

「上等。それくらいなんだ。俺も、お前の全て独占してたい」

お互いに、ぎゅっと抱きしめ合って、チュッと触れるキス。

優しい男
私の気持ちを軽くしようとしてくれている気がする。

こんなことを言ってくれる男なんて、他にいないだろう。

「もう、こんな私にハマってバカですね」

「お前、こんな俺に捕まってバカだな。離してやれないからな」

「それこそ、上等です」

「なら、引越してこい」

「はい。よろしくお願いします」

翌日、出勤するなり、皆の驚き顔に2人で繋いだ手を見せて笑う。

「結婚前提で付き合うことになった」

「…です」
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