甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
「私のことはいいのよ。菜々緒ちゃんと高山、どうしたら急展開になるの?」
「そうよ。教えなさい」
「有馬さんは、高山チーフのこと好きだったんですよね?」
「そうだった時もあったかもだけど、高山チーフの片想いを知ってから諦めたわよ」
「そうよ。どうあがいても実らないもの。彼はあなたしか見えていなかったんだからね。そうでしょ、朱音さん」
「そうよ。すっごい執着。なんだっけ?確か、何かのイベントであなた達一回会ってるのよ。それをあの男、覚えててずっと忘れられなかったとかで、会社に菜々緒ちゃん入ってきて、運命感じたんだって。ここ2年は、もうね…沢内に牽制かけるほど必死だったの。笑えるぐらい」
他の2人も思い出し苦笑い。
「で、どうしたら、付き合うになったの?」
そこへ、ワインとお料理が次々と順番に運ばれてきて、テーブルの上はいっぱいになって、食事を始めた。
「今回の主催者側の方に、なんというか口説かれてたんですかね?多分。それが高山チーフの感に触ったようで、気をつけろと言われてたんです」
皆は、うんうんとうなぎ聞いている。
「だけど、私、その人が生理的に無理で、高山チーフと比べてるうちに、好きだと気がついて、私から告白しました」