甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
朱音さんは、なんとなく、以前にベロチューと腰痛の件を知っているので、なんとなく察してくれてる。
「そうなんだ。絶対、高山チーフから告白したと思ってたのにな。違ったんだ」
「まぁ、どちらにせよ、やっと付き合ってくれたんだから、私達も安心よ」
「そうですね。これで、小柴さんにイライラしなくて済みます。高山チーフの言動に、ほんと、えっ、なぜ気がつかないって思ってましたもん」
そこからなんだか、一気に興味が薄れたようで、私の話から、世間話へと変わりホッとするのだ。
女子会も終わり、お店を出ると、健斗が約束通り待っていた。
嬉しくて駆け寄ると、隣には、社長様がいらっしゃる。
朱音さんは、げっとした顔をしていて、有馬さんと結城さんは驚き顔。
「朱音、帰るよ」
「えっ、えー」と有馬さんも結城さんも、本日2回目の驚きに、倒れそうになるぐらい驚いていたが、社長の不機嫌な表情に、そそくさと帰ってしまった。
なぜか、同じ方向へ4人で歩いている。
「まさか、俺を怒らせたいのかな?まだ、慧を諦められない?どうしたら、諦めるんだ?」
背後で、2人、いや、社長が一方的に怒っている。
「止めなくていいんですか?」
「ほっとけばいい。そろそろ、あそこは、前に進むべきなんだよ」