甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
8
≪ 健斗side ≫
「今から、朝日ホームの若林さんと最終打ち合わせに行ってきます」
「あぁ…わかった…」
彼女は、憂鬱そうな表情を隠し、出て行った。
「ちょっと、タバコ吸ってくる」
席を立った際、スタッフルームに残っている奴らが、ニヤつく。
うちは、他の会社と違い、個人で休憩とることは自由なのに、訳知り顔で声がかかる。
「ごゆっくり」
その声が聞こえるか聞こえない速さで彼女を追いかける。
残されたスタッフの沢内が「タバコ持って行かずに、何を吸いに行ったんですかね」と、ニヤついて、皆も苦笑していたとは知らない。
駐車場まで行くと、ハンドルを握ったままうつむいている彼女を見つけ、早足で車まで近寄り、腰を屈め車の窓ガラスをトントンと叩く。
顔を上げ、驚いている菜々緒の表情は、なんというか救いを求める小動物のように目が潤んでいて庇護よくを掻き立てる。
「どうしたんですか?」
慌てて窓を下ろした彼女。
「あぁ、忘れ物」
「えっ、私、何か忘れましたか?なんだろ」
慌てて、助手席にある鞄を探ろうとするので、手を伸ばし、彼女の顔をこちらに振り向かせた。
顔を少し中に入れて、彼女の唇にキスをする。
「今から、朝日ホームの若林さんと最終打ち合わせに行ってきます」
「あぁ…わかった…」
彼女は、憂鬱そうな表情を隠し、出て行った。
「ちょっと、タバコ吸ってくる」
席を立った際、スタッフルームに残っている奴らが、ニヤつく。
うちは、他の会社と違い、個人で休憩とることは自由なのに、訳知り顔で声がかかる。
「ごゆっくり」
その声が聞こえるか聞こえない速さで彼女を追いかける。
残されたスタッフの沢内が「タバコ持って行かずに、何を吸いに行ったんですかね」と、ニヤついて、皆も苦笑していたとは知らない。
駐車場まで行くと、ハンドルを握ったままうつむいている彼女を見つけ、早足で車まで近寄り、腰を屈め車の窓ガラスをトントンと叩く。
顔を上げ、驚いている菜々緒の表情は、なんというか救いを求める小動物のように目が潤んでいて庇護よくを掻き立てる。
「どうしたんですか?」
慌てて窓を下ろした彼女。
「あぁ、忘れ物」
「えっ、私、何か忘れましたか?なんだろ」
慌てて、助手席にある鞄を探ろうとするので、手を伸ばし、彼女の顔をこちらに振り向かせた。
顔を少し中に入れて、彼女の唇にキスをする。