甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る

沢内は、女が好みそうな優しい顔立ちの整った顔に、高身長、気がつくし、会話も女好みに合わせて話す。

そんな男に危機感しかなく、菜々緒が、こいつに惚れたらどうしようと焦るあまり、沢内には、強く、菜々緒に手を出すなと言い聞かせていたせいで、こうして、揶揄われる羽目になっているのだが…

まぁ、協力的なので、それぐらい甘んじて受けよう。

「彼女の唇」

ガタガタと、あちこちで物が落ちる音と、驚きで振り返るスタッフ。

「うわっ、もう、隠しもしないよ。この人」

「高山…うちらの前で隠してないこと菜々緒ちゃんに気がつかれないように行動しなよ。あの子、必死にバレないように演技してるんだからね。ほんと、かわいそうよ。なんで、あんたなんかに掴まちゃうかな…」

「我慢してたろ。他の奴にうろつかれて目障りなんだよ。堂々と態度に出して何が悪い」

「開き直ってる」

「うちらの前ではセーブしな。でないと、恥ずかしくて耐えられないわよ」

「わかってる。2人きりじゃないとこなら我慢してる」

呆れる顔のスタッフの面々に、手のひらを振り、仕事に戻れと合図するのだ。

そろそろ、打ち合わせも終わった頃だろうと、電話をかけてみる。

「小柴、終わったか?」
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