甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る

「ふっ、ははは。そうよね。ふざけてるわよね。順序を踏まえろって思うわ。だけど、あいつも可哀想かしら?まぁ、昔は、どこかの誰かさんと同じで節操無しの獣だったとしても、ここ2年は、遊びは辞めたはずよ。高山の肩を持つわけじゃないけど、それは、断言できるわ」

「そうですか?結構、女性に告白されてますよ」

朱音さんが知らないだけで、高山チーフには、女性の影が消えないのだ。

なぜか、目の前の女性はニヤニヤとしていてムッと唇を尖らせてしまう。

「その笑いなんですか?」

「いやー可愛いなって思って」

「意味がわかりません。私は、上司と部下として、ちゃんと線引きしてます。円滑に仕事する為に高山さんは恋愛対象外なんです。それなのに、キスするなんて…これから、同じ職場でどんな顔して仕事していけばいいんですか?あっ、高山さんのことも気にならなくなるような彼氏作ればいいですかね?」

「そこは、普通に高山と付き合うってならないの?」

「私は、イケメンは好きです。目の保養になりますし。だけど、恋愛や結婚は私には無理なんだと思います。もしがあるとするなら、性格や価値観が合う人ですね」

最初の恋愛で失敗している私は、痛感してそう思うのだ。
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