甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
「やぁぁぁ…なんで」
「イきたいなら、なんていうんだ?」
「…けんと、お願い。一緒にきて」
「いい子だ、菜々緒。一緒にいこうな」
背後から指を絡めて繋いでいた手が、2人で一緒に向かう為に腰を掴み直した。
訳の分からない、頭の中がおかしくなる感覚にお互いに声を上げる。
「あぁーーー」
「うぉぉぉー」
まさに獣のような鳴き声だった。
その後の記憶はないが、目が覚めたらベットで高山チーフに背後から抱きしめられて寝ていた。
ソファやテーブルがずれている場所で、高山チーフの上になり下から激しく突かれ、ガラス張りの浴室内でひとりいかされて、外が見える大きなガラス窓の前で背後から抱かれ、この寝ているベットでも、シーツが剥がれるほど激しかった。
起き上がれる自信がないほど、腰の痛みが増してきたが、なんとか体の向きを変えて、男の寝顔を見つめる。
不感症だから飽きられると思っていたのに、夢中になって求められて、私自身も求めてしまっていた。
予定外の出来事だったが、今後、どう接していけばいいのだろうと、頭を悩ましているというのに、目の前で憎たらしいぐらい、すっきりとした表情で眠る男。
嫌い、大嫌い…私の気持ちを掘り起こした、この男が…嫌いだ。