甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る

昨夜のマッサージのおかげだろうか⁈
腰の痛みも半減し、へっぴり腰から脱出できそうで、体を起こすのも楽だった。

後ろを振り返れば、まだ、起きる気配のない高山チーフである。

思わず、寝顔にキスしてしまっていて、自分自身驚いて、誤魔化すように思考を変える。

一泊の恩義というのも腹立たしいが、どんな理由があろうとも一応、お世話になったので、昨晩の残りを温めて、肉巻きおにぎりを握ることにした。

冷蔵庫から、サンチェの代わりにレタスを洗い、水を拭き取って肉巻きおにぎりを包んで、ラップを巻いてしんなりとさせる。

お味噌汁に、キャベツと卵とじをしていたら、腰を抱きしめられて、肩に顎が乗った。

「おはよう。腰どうだ?」

「おはようございます。だいぶいい感じです」

「なら、よかったよ」

「キッチン勝手に借りました。すみません」

「別にいいよ。それより…こっち見て」

横からチュッと唇へのキス。

なんなんだ?

私達は、恋人になったわけではない。

欲望が溜まっていた男の前に、私がいただけ。

そして、私は、不感症だったはず。

感じることができない体が、この男により、強烈な素晴らしい体験をした。

腰が痛くなるまでいたすのはどうかと思うが、あんなに求められて嬉しかったのは、事実。

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