甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る

そういうなり、唇が触れ合って、じれったく下唇を何度も甘く喰まれ、時折、舌先が淫らに唇をなぞって誘惑してくる。

「口開けろよ」

頑なに唇を閉ざしていたが、彼の指先が服の中に侵入してきた瞬間、咄嗟に声をあげそうになった隙をつかれて、舌を絡め取られ、縦横無尽に口内や唇を貪られ、抱き込まれて彼の思うまま淫らなキスは続いた。

もっとしていたいと思うほど、飢えていたらしい。

キスを解かれた時には、息も絶え絶えな私だったが、それでも濡れた唇を手の甲で拭った。

せめてもの反抗だった。
期待していると思われるのも嫌なのだ。

目の前の男は親指の指先で自分の唇を拭いながら苦笑する。

「飢えているのは俺だけか⁈菜々緒…お前もそろそろ俺に飢えているんだろ」

クンと首の匂いを嗅ぐ男はそこで話終わると、首筋を舐め上げていく。

体の奥底にある疼きを刺激され、甘ったるく「あっ…」と鳴いていた。

クスリと笑う吐息で首元の肌を撫でられて、全身が粟立ち、期待している。

手のひらで頬を撫でている男の手のひらに頬擦りして甘やかにキスをする。

「……はぁ…その蕩けた顔、たまんないよ。俺ん家まで我慢な…」

チュッとこめかみに軽く音をたてるが、艶めかしい吐息が放たれていた。
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