甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
ズッキュンという言葉が出るのは、漫画だけの世界だと思っていたが、今、俺の胸に打ち込まれ、ドキドキからバクバクと心臓は高鳴りだす。
これが、一目惚れというやつなのか?と思った。
こんなことは初めてで、どうしていいか分からず、胸ポケットに飾りで入っていたうさぎのぬいぐるみをプレゼントしていた。
まぁ、後で紛失させた弁償をしたのだが、彼女の笑顔が見れたのだから、それくらいなんともない。
仕事中ということもあり、口説くとか安い言葉をかけるわけにもいかず、チラシだけを渡して、その時は後ろ髪を引かれる思いで去ったのだ。
2度と会えないだろう…
それから、数ヶ月後に彼女が途中入社してきた時には、運命という言葉を信じてもいい気がした。
こんなことがあろうかと、歓喜に震えた。
社内恋愛が禁止されていないといっても、簡単に口説くとかできなかった。
軽い気持ちではないから、どうやってきっかけを作り親密になれるのかと手をこまねく日々。
女から誘われることなんて日常的にあり、適度に遊んでいた俺が、こんなことになるなんて初めてで、抗って彼女に似た女をナンパしても仕草一つで、彼女ならきっとそんなことしないと、一気に冷めて、どの女とも続かない。