甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る

「お疲れ様です。今、確認作業終わりました。今から帰りますが、ご相談案件がありましたので、対応をお願いします」

早口で相手の話内容も確認せずに、いい終わる。

『わかった。早く帰って来い』

漏れる声に若林さんも、苦々しく唇を曲げていた。

通話を切り、この場を早く抜け出す為に忙しく話す。

「若林さん、お時間頂きましてありがとうございます。イベントを盛り上げていきましょう。当時、こちらもスタッフの配置させていただきますが、お客様に入られたら困る場所があるようでしたら、看板などご準備お願いいたします。トラブルなく、終わり、皆さんと一緒に打ち上げしましょう」

失礼しますと、頭を下げてその場を後にし、車まで早足だ。

エンジンをかけて、展示会場内の駐車場を出るまで、嫌な鼓動が止まらなかった。

前に高山チーフと寄ったコンビニに車を停めて、気持ちを落ち着かせようとピーチティーを購入してくる。

まだ、肌寒いせいか温かい飲み物を選んでしまい、キャップを開けながら、これで大騒ぎしたなと思い出す。

ちびっと飲んでみると、今回もやはり熱い。

他店だと温かいぐらいだが、ここのお店は、窓のあるショーケースを利用しているせいだろ。
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