80年後の君へ愛を込めて

残酷な世界

なんて世界は残酷なんだろう。
私はテレビのニュースを見ながら呟いていた。
遥か海の向こう。 
その地では今も戦争の爆撃で命を落としている子供や怪我に苦しむ人々がいるという事実に胸が痛んだ。
私にはなにもできない。ただ可哀想とか思うだけで、日本じゃなくて良かったって心のどこかで少しでもそう思ってしまう自分が大嫌いだ。
大きな爆発音に心臓が悲鳴を上げる。気分が悪くて吐きそうだ。
実際、こんな悲惨な戦争のニュースの後に次のトピックで顔色をガラッと変えて朝ごはんの紹介をするこの人たちは仕事だとしてもやはり残酷だと思う。


私は戦争が嫌いだ。
赤いものも。大きな音も。
昔からみんなは、少し驚くくらいの音などにも私は過呼吸をおこす。
小学生の校外学習で訪れた特攻平和資料館では一歩入っただけで過呼吸を起こして倒れ運ばれた。
私は感受性が人よりも豊かなだけだと母は言う。つまり、人より心が脆くて弱い。
おどおどしてしまって、感情をコントロールできない。
私は異常だ。
この性格のせいか小学校でもよくいじめられた。
でも、今は普通になるために強がって、みんなに紛れている。
この世界で生きていく為には必要なことだった。


だって、この世界は残酷なんだから。

こんな世界終わってしまえばいいのに…











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