あのとき、君がいてくれたから
今日も広場で空を見る。
でも今日の目的はこれではなかった。
私にはひとつ疑問があった。
なんで遠坂はこんな私と一緒にいてくれるのか。
もう空はオレンジ色に染まりかけている。
いきなりこんなことを聞くのもどうかと思うけど、今しか聞けないと思い、ゆっくり口をひらく。
「あのさ遠坂。」
「ん?」
「なんで私と一緒にいてくれるの?」
「それは...」
遠坂が少しぎょっとした顔をした。
そしてうつむいて何か考えている。
その横顔が夕焼けに反射してオレンジ色に染まっている。
私は変なことを聞いてしまったと思い、謝ろうと思ったときだった。
「...だから。」
そのとたん遠坂の顔が赤くそまる。
私は最初の方が聞きとれず、少しだけ遠坂の方にずれて座った。
なぜかわからないけど、遠坂の近くに行くと全身があつくなる。
木が揺れて、小鳥のさえずりが聞こえる。
それぐらい、静かな空間に聞こえた。
「お前が、、高菜が、好きだから。」