あのとき、君がいてくれたから

君がいてくれたから

「よしっと。」


私は家にある全身鏡の前でくるっとターンした。



外した眼鏡、おろしたセミロングの髪。



昨日の私とは全く違う、私。



コンタクトレンズが初めてだからか目がまだ慣れない。


髪をおろした感じもまだ慣れない。


それを振り飛ばすように、私は勢いよく家を出た。











教室に入るとクラスのみんなが私の方に注目した。



誰もが驚いている。


「まって、あの高菜ちゃん?めっちや美人じゃない?」


「顔面モデルじゃん。」


「目、でか。」


「普通にかわいすぎ。」


私はそれを聞いて浮かれそうになったけど、いつものように荷物をまとめた。


席について、教室全体を見渡す。


花梨と春亜が何か話してるのが目についた。


ふたりはこちらへ向かってくる。


「高菜ちゃん。」


春亜だ。


「何?」



「えっと、待って、こんなにかわいかったの?あたしたち悪いことしててごめんね。また一緒に過ごさない?」



私は嬉しかったけど、返事は決まっている。


「ごめんね。もう春亜と花梨とは一緒にいたくない。」


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