あのとき、君がいてくれたから
一言多い。



私的には何も思わないし、間違ったことを言ってるわけじゃないはずだ。



だけど、どうやらコミニケーションには暗黙の了解でルールがあるらしい。



とくに教わったわけでもないのにみんなそれをする。



私はなんだか世界に否定されてるような気がして、鞄を握りしめて、逃げるように教室を出た。



廊下を歩いていると後ろから聞き覚えのある声が混じって聞こえた。



「高菜ちゃーん。待ってー。」


「置いていかないでよぉ。」



振り返ると花梨と春亜だった。



「何?」



私がそう返すとふたりは息を切らしながら
「辛辣〜」と言った。




「高菜〜、なんで待ってくれないの?いっつも一緒に帰ってるじゃん。」


と花梨。



春亜はそれに対してうんうんと頷いている。



私は意味がわからなくて



「約束してた?」


と聞いた。


約束してたなら置いていった私が悪いだろう。でもそうじゃないならふたりが怒ってる意味がわからない。



「してないよ〜。でもいつも一緒なんだから普通待つでしょ。」



春亜が花梨の肩にあごを置いて言った。




「でも約束してないじゃん。なら私が怒られる意味がわからないんだけど。」




私はついかっとなって言った。




「だってよ。かり。あたしたちふたりでかーえろ。」



「わかった。またね、高菜。」




そう言うとふたりは去っていった。




なんなのもう。
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