ご褒美を頂戴♡
(うう…1人でやりたい。だって、ハヤトに教わると──────)
オリビアは、今日も宿舎裏の広場で空を飛ぶ練習をしている。授業で上手くいかない所があったからだ。先生に尋ねると、夕方5時までなら地面にバリアが張られているから、万が一ホウキから落ちても大丈夫という事だった。
彼女の飛ぶ高さに合わせて隣で浮いているのは、恋人であるハヤトだ。1人で練習したいから断ったのに、勝手についてきた。ハヤトに口を出されると、イライラしてしまう。
そもそも授業で上手くいかなかったとは言え、オリビアの飛行レベルは学年でもトップクラスである。それが、天才のハヤトがそばにいるせいで、自分が劣っているように感じてしまう。上を目指すオリビアにとって、ハヤトはライバルであり、目標だった。だから、オリビアは彼に何か言われる事を嫌う。
もっとも、ライバル視しているのはオリビアだけだ。ハヤトはオリビアには到底届かないレベルにいるのだが、オリビアはそれに気付いていながらも、プライドが邪魔をし、素直に教えを請う事が出来ずにいる。
周りがようやく飛行試験の5級を取得した所に、4級の試験を一足先にパスしたというのに、すぐにもう1つ上のレベルに挑戦するべく1人奮闘するオリビアに、ハヤトが声をかけた。
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