紫苑くんとヒミツの課外授業
あっ、あった。
だけど、ようやく見つけたお目当ての本は、棚の一番上に置かれていた。
よりによって、一番上に置かれているなんて。
高い書棚を見上げて、私はため息をつく。
そしてその本を取ろうと、かかとを上げて精一杯背伸びをするけれど。
「うっ、届かない……」
やっぱり身長150cmの私が、背伸びをして本を取ろうとするのは無理があった。
私は、離れたところにある踏み台を棚の前に持ってくると、再びその上に立って背伸びをする。
「うわ。台に乗ってもまだ本に手が届かないなんて。どれだけチビなの、私」
それでも諦めずに頑張ってつま先立ちをし、手を伸ばしていると、突然体が後ろにグラッと傾いた。