紫苑くんとヒミツの課外授業


「あれ。でも、聖来ちゃんが招待されたのなら、咲来ちゃんも北条財閥のパーティーに行くの?」

「へ!?」


ミサキちゃんにいきなり質問されて、紫苑くんのほうを見ていた私は胸がドキッと跳ねる。


「えっと、私は……」

「咲来ちゃんは、パーティーには行かないわよ」


ミサキちゃんの質問に答えようとした私の言葉を、聖来が遮る。


いつの間にか私の席の近くに、聖来が来ていた。


「ママが、咲来ちゃんは行かなくて良いって言ったのよね。こんな出来損ないの娘なんか、恥ずかしくて連れて行けないって」


聖来に言われて、私は手のひらを握りしめる。


悔しいけど、聖来の言うとおりだ。


来週末の北条財閥主催のパーティーに家族で招待されたが、母に『咲来は行かなくて良いわ』と言われたので、私だけ家で留守番することになった。


「咲来ちゃんは、家で一人寂しく勉強でもしてれば? まぁ、咲来ちゃんがいくら勉強したところで、わたしには一生勝てないだろうけどぉ」


聖来が高笑いしながら、私の元を離れていく。

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