紫苑くんとヒミツの課外授業
6. 北条財閥のパーティー
翌日。北条財閥主催のパーティー当日。
今は梅雨の真っ只中だから、しばらく雨の日が続いていたけれど。
今日は、久しぶりの快晴。
綺麗な青空を見ているだけで、少し気持ちが上向きになる気がした。
「咲来さま、こちらへどうぞ」
「よろしくお願いします」
今日は朝早くからヘアメイクさんが家にやって来て、私は身なりを整えてもらう。
腰にリボンのついた淡い水色のドレスに身を包み、いつもはストレートの黒髪も今日はゆるく巻いてもらい、ハーフアップに。
そして、軽くメイクをしてもらって完成だ。
「うわぁ」
鏡に映る着飾った自分は、いつもの地味な自分とはまるで別人のようで。
まつ毛がくるんとカールした目は、普段よりも大きく見える。
やっぱりプロの人って、すごいな。
支度を終えると車に乗り込み、家族で会場である高級ホテルへとやって来た。
天井からは巨大なシャンデリアが吊り下がり、会場は煌びやかな雰囲気が漂っている。
パーティーに参加するのはすごく久しぶりだから、緊張するなぁ。