紫苑くんとヒミツの課外授業
梅雨入りする少し前、私の唯一の味方でいてくれた祖母が脳梗塞で倒れ、突然亡くなったのだ。
「……っうう。おばあちゃん……っ」
何の前触れもなくいきなりだったから、お葬式が終わっても、亡くなったことが信じられなくて。
私は祖母の死をなかなか受け入れられず、悲しくて毎日のように泣いた。
そんな精神状態だったからか、余計に勉強にも身が入らず、私の学校での成績は更に落ちた。
「30点だなんて、なんて点数をとってるの!?」
返却された小テストの答案を見た母が、怒り狂う。
「聖来は満点だったっていうのに。本当に咲来はダメな子ね! 何一つ良いところなんてない。全く、どれだけママを怒らせたら気が済むの!?」
「ごっ、ごめんなさ……」
「ほんと、あんたなんていないほうが良かったわ」
「……っ!」
母の言葉にひどく傷ついた私は、家を飛び出す。