乳房星(たらちねぼし)−1・0
【愛は鎖(くさり)じゃない】
時は、モナコ時間2月23日の深夜11時頃(日本時間2月24日の朝7時ぐらい)であった。
A班のメンバーたちは、モンテカルロの中心地にあるアンバサドール・モナコ(高級ホテル)に宿泊していた。
(ジャアア…)
場所は、福也《さちや》さんと順子《よりこ》さんが宿泊している部屋にて…
順子《よりこ》さんは、浴室でシャワーを浴びていた。
ベッドルームにいる福也《さちや》さんは、腰に白いバスタオルを巻き付けた姿で順子《よりこ》さんが浴室から出るのを待っていた。
この時、備え付けの電話に国際電話《コレクトコール》がかかってきたので、福也《さちや》さんが電話に出ていた。
電話は、新宮市《なんきしんぐう》の福也《さちや》さんの実家からであった。
福也《さちや》さんは、ものすごく怒った表情で受話器ごしにいる一恵《かずえ》に言うた。
「かあさん!!いいかげんにしてくれよ!!かあさんはオレになにを求めているのだよ!!…『お休みはいつなのよ…』と言う言葉がものすごくうざいんだよ!!」
福也《さちや》さんの実家の大広間にて…
大広間のテーブルに、章弘《あきひろ》と久里子《くりこ》母子《おやこ》3人が集まっていた。
一恵《かずえ》は、電話の応対をしていた。
一恵《かずえ》は、受話器ごしにいる福也《さちや》さんに対してものすごくつらい声で言うた。
「福也《さちや》、おかーさんはものすごく困っているのよ…日菜《ひな》さんが急に小浜《おばま》(の実家)に帰った上にお兄さんが行方不明になったのよ…その上に久里子《くりこ》が大きい子どもふたりを連れて出戻ったのよ!!」
「だから、どうしてほしいのだよ!!」
「男の子が家にいなくなったから困っているのよ~」
「ますますはぐいたらしいのぉ!!あんたはオレになにを求めているのだよ!!」
「福也《さちや》、なんでそんなに怒るのよ?」
「あんたが国際電話《コレクトコール》をかけてきたから怒ってるんだよ!!時間を考えろよ!!」
一恵《かずえ》は、ものすごく困った表情で言うた。
「日本と現地のちがいぐらい分かってるわよ〜」
「ほんなら国際電話《コレクトコール》を控えろよ!!だいたいあんたは、イワマツグループのどう言う部分に不満があると言うのだよ!!」
一恵《かずえ》は、つらい声で福也《さちや》さんに言うた。
「不満があるとは言うてないわよ!!おかーさんは、定休日がないお仕事に不満があるのよ!!」
「言うてるじゃないかよ!!」
「おとーさんは土日祝日休みがあるのに福也《さちや》だけはないなんておかしいよ〜」
「おれひとりだけの都合で休みが決まるわけではないのだよ!!」
「福也《さちや》〜」
「だいたいあんたはオレになにを求めているのだよ!!」
「おかーさんは心細いのよ!!」
「またかよ!!」
「福也《さちや》!!」
「姉さんが帰って気たことがそんなに不満かよ!!」
「おかーさんは、久里子《くりこ》に不満があるのよ!!だから福也《さちや》に帰って来てほしいのよ!!」
「ふざけるな!!」
(ガーン!!)
思い切りブチ切れた久里子《くりこ》は、右足で電話台をけとばした。
一恵《かずえ》は、泣きそうな声で久里子《くりこ》に言うた。
「久里子《くりこ》!!なんでひどいことをしたのよ!!」
「今、福也《さちや》になんて言うたのよ!!」
「おかーさんは、福也《さちや》にいつお休みが取れるのと言うただけよ~」
「その前に、うちに不満があると言うたわよ!!」
「あれはつい言葉がすべっただけよ~」
「はぐいたらしいわね!!」
(ガチャン!!)
思い切りブチ切れた久里子《くりこ》は、うぐいす色のプッシュホンをたたきつけて壊した。
「久里子《くりこ》!!」
「つい言葉がすべったからと言うてこらえてくれると思っているのか!!」
「それじゃあ、どうすればいいのよ!!」
「うちに出て行けと言うのだったら出ていくわよ!!」
(ガラガラガラガラガシャーン!!)
思い切りブチ切れた久里子《くりこ》は、食卓をぶち壊した。
その後、章弘《あきひろ》の頭を新聞紙でたたくなど…暴行を加えた。
その挙げ句に、久里子《くりこ》は美亜《みあ》と章介《しょうすけ》に対して『家を出る支度をしなさい!!』と言うて家出を強要した。
それからまた1時間後であった。
久里子《くりこ》と美亜《みあ》と章介《しょうすけ》は、必要最低限の物だけを持って家出した。
章弘一恵夫婦《あきひろかずえ》は、ひどくおたついた表情でつぶやいた。
どうしたらいいのよ…
福也《さちや》に拒否された上に…
久里子《くりこ》にも拒否された…
この先…
うちら夫婦は、どうすればいいのよ…
A班のメンバーたちは、モンテカルロの中心地にあるアンバサドール・モナコ(高級ホテル)に宿泊していた。
(ジャアア…)
場所は、福也《さちや》さんと順子《よりこ》さんが宿泊している部屋にて…
順子《よりこ》さんは、浴室でシャワーを浴びていた。
ベッドルームにいる福也《さちや》さんは、腰に白いバスタオルを巻き付けた姿で順子《よりこ》さんが浴室から出るのを待っていた。
この時、備え付けの電話に国際電話《コレクトコール》がかかってきたので、福也《さちや》さんが電話に出ていた。
電話は、新宮市《なんきしんぐう》の福也《さちや》さんの実家からであった。
福也《さちや》さんは、ものすごく怒った表情で受話器ごしにいる一恵《かずえ》に言うた。
「かあさん!!いいかげんにしてくれよ!!かあさんはオレになにを求めているのだよ!!…『お休みはいつなのよ…』と言う言葉がものすごくうざいんだよ!!」
福也《さちや》さんの実家の大広間にて…
大広間のテーブルに、章弘《あきひろ》と久里子《くりこ》母子《おやこ》3人が集まっていた。
一恵《かずえ》は、電話の応対をしていた。
一恵《かずえ》は、受話器ごしにいる福也《さちや》さんに対してものすごくつらい声で言うた。
「福也《さちや》、おかーさんはものすごく困っているのよ…日菜《ひな》さんが急に小浜《おばま》(の実家)に帰った上にお兄さんが行方不明になったのよ…その上に久里子《くりこ》が大きい子どもふたりを連れて出戻ったのよ!!」
「だから、どうしてほしいのだよ!!」
「男の子が家にいなくなったから困っているのよ~」
「ますますはぐいたらしいのぉ!!あんたはオレになにを求めているのだよ!!」
「福也《さちや》、なんでそんなに怒るのよ?」
「あんたが国際電話《コレクトコール》をかけてきたから怒ってるんだよ!!時間を考えろよ!!」
一恵《かずえ》は、ものすごく困った表情で言うた。
「日本と現地のちがいぐらい分かってるわよ〜」
「ほんなら国際電話《コレクトコール》を控えろよ!!だいたいあんたは、イワマツグループのどう言う部分に不満があると言うのだよ!!」
一恵《かずえ》は、つらい声で福也《さちや》さんに言うた。
「不満があるとは言うてないわよ!!おかーさんは、定休日がないお仕事に不満があるのよ!!」
「言うてるじゃないかよ!!」
「おとーさんは土日祝日休みがあるのに福也《さちや》だけはないなんておかしいよ〜」
「おれひとりだけの都合で休みが決まるわけではないのだよ!!」
「福也《さちや》〜」
「だいたいあんたはオレになにを求めているのだよ!!」
「おかーさんは心細いのよ!!」
「またかよ!!」
「福也《さちや》!!」
「姉さんが帰って気たことがそんなに不満かよ!!」
「おかーさんは、久里子《くりこ》に不満があるのよ!!だから福也《さちや》に帰って来てほしいのよ!!」
「ふざけるな!!」
(ガーン!!)
思い切りブチ切れた久里子《くりこ》は、右足で電話台をけとばした。
一恵《かずえ》は、泣きそうな声で久里子《くりこ》に言うた。
「久里子《くりこ》!!なんでひどいことをしたのよ!!」
「今、福也《さちや》になんて言うたのよ!!」
「おかーさんは、福也《さちや》にいつお休みが取れるのと言うただけよ~」
「その前に、うちに不満があると言うたわよ!!」
「あれはつい言葉がすべっただけよ~」
「はぐいたらしいわね!!」
(ガチャン!!)
思い切りブチ切れた久里子《くりこ》は、うぐいす色のプッシュホンをたたきつけて壊した。
「久里子《くりこ》!!」
「つい言葉がすべったからと言うてこらえてくれると思っているのか!!」
「それじゃあ、どうすればいいのよ!!」
「うちに出て行けと言うのだったら出ていくわよ!!」
(ガラガラガラガラガシャーン!!)
思い切りブチ切れた久里子《くりこ》は、食卓をぶち壊した。
その後、章弘《あきひろ》の頭を新聞紙でたたくなど…暴行を加えた。
その挙げ句に、久里子《くりこ》は美亜《みあ》と章介《しょうすけ》に対して『家を出る支度をしなさい!!』と言うて家出を強要した。
それからまた1時間後であった。
久里子《くりこ》と美亜《みあ》と章介《しょうすけ》は、必要最低限の物だけを持って家出した。
章弘一恵夫婦《あきひろかずえ》は、ひどくおたついた表情でつぶやいた。
どうしたらいいのよ…
福也《さちや》に拒否された上に…
久里子《くりこ》にも拒否された…
この先…
うちら夫婦は、どうすればいいのよ…