乳房星(たらちねぼし)−1・0
【あの日によく似た青い空】
時は、日本時間9月1日の朝6時40分頃であった。
またところ変わって、今治市玉川町鴨部団地《たまがわちょうかんべだんち》にある福也《さちや》さんの実家にて…
実家の大広間のテーブルに章弘《あきひろ》と麻里子温大夫婦《まりこはると》と智之《ともゆき》と智之《ともゆき》の妻・ことはの5人が集まっていた。
テーブルの上には、ことはが作った朝ごはんがならんでいた。
一恵《かずえ》は、今から2年ほど前にゴエンセイハイエンで亡くなった。
智之《ともゆき》は幹部自衛官になるために防衛大学校に転向〜卒業後に幹部自衛官になる予定だったが、麻里子《まりこ》が『心細い…』と言うたのでやむなくニンカンキョヒした。
智之《ともゆき》は、ニンカンキョヒをしたあと愛媛県庁《けんちょう》のケーヤク職員になった。
毎朝5時起きして身支度などを整えたあと、大須伎《おおすぎ》のバス停まで歩いて行く…
大須伎《おおすぎ》のバス停から松山市駅行きの特急バスに乗って、県庁まで遠距離通勤する…
本当は、幹部自衛官で働きたかった…
だけど、麻里子《まりこ》が『心細い…』と言うたのでしかたなくニンカンキョヒした…
なんなのだ一体…
智之《ともゆき》は、日に日にジレンマを感じるようになった。
ことはのふたりの妹は、実母のもとへ行った。
ことはは、義母(ゆきさん)の入院費用を智之《ともゆき》がためた大金全部でまかなったことを理由に智之《ともゆき》と強制結婚《けっこん》した。
温大《はると》は前に勤めていた職場をやめて印刷工場に転職したけど、仕事自体がうまく行かずに苦しんでいた。
麻里子《まりこ》は老健施設で働いていたが、利用者から受けたセクハラが原因でやめた。
イワマツをやめた福也《さちや》さんは、支所《やくば》に転職したが半年でやめた。
家を出たあと、兵庫県にある工場に転職した。
妻に先立たれた章弘《あきひろ》は『つまらん…』と不満ばかり言うてひねていた。
話は戻って…
智之《ともゆき》は、手提げバッグとジャケットを手にしたあとものすごく怒った表情で『行ってくる!!』と言うて席を立った。
ことはは、家から出ようとした智之《ともゆき》に対して『待って!!』と言うて止めた。
「あなた待ってよ!!」
「なんぞぉ!!」
「あなた!!朝ごはんがたくさん残っているわよ!!」
「オレは急ぐんや!!あと15分したらバスが来るのだよ!!」
「あたしが県庁に電話してあげるから!!」
「なんで電話するのだ!?」
「『朝ごはんを食べていないので、少し遅れます…』と言うてあげるから…」
「ふざけるな!!則本《ひとのいえ》のカネを根こそぎドロボーしておいてひとこともわびんのか!?」
「あなた!!」
「おどれはどこのどこまではぐいたらしい嫁だ!!オレが幹部自衛官になれなかった原因は全部オドレにあるのだ!!ふざけるなクソアマ!!」
智之《ともゆき》は、ものすごく怒った声でことはを怒鳴りつけたあと家から出ていった。
残された家族4人は、ボーゼンとした表情であたりを見渡した。
さて、その頃であった。
またところ変わって、姫路市広畑区富士町《ばんしゅうひろはたふじちょう》にある新日鉄《せいてつこうば》にて…
福也《さちや》さんは、1年ごとに更新するケーヤク社員で働いていた。
夜勤を終えた福也《さちや》さんは、自販機コーナーで紙カップのブレンドコーヒーをのんでいた。
この日は快晴で、澄みきった青空が広がっていた。
福也《さちや》さんは、澄みきった青空を見つめながらつぶやいた。
オレは…
今の暮らしをつづけていいのか…
オレは…
なんでイワマツグループをクビになったのか…
その理由が…
今も分からない…
またところ変わって、今治市玉川町鴨部団地《たまがわちょうかんべだんち》にある福也《さちや》さんの実家にて…
実家の大広間のテーブルに章弘《あきひろ》と麻里子温大夫婦《まりこはると》と智之《ともゆき》と智之《ともゆき》の妻・ことはの5人が集まっていた。
テーブルの上には、ことはが作った朝ごはんがならんでいた。
一恵《かずえ》は、今から2年ほど前にゴエンセイハイエンで亡くなった。
智之《ともゆき》は幹部自衛官になるために防衛大学校に転向〜卒業後に幹部自衛官になる予定だったが、麻里子《まりこ》が『心細い…』と言うたのでやむなくニンカンキョヒした。
智之《ともゆき》は、ニンカンキョヒをしたあと愛媛県庁《けんちょう》のケーヤク職員になった。
毎朝5時起きして身支度などを整えたあと、大須伎《おおすぎ》のバス停まで歩いて行く…
大須伎《おおすぎ》のバス停から松山市駅行きの特急バスに乗って、県庁まで遠距離通勤する…
本当は、幹部自衛官で働きたかった…
だけど、麻里子《まりこ》が『心細い…』と言うたのでしかたなくニンカンキョヒした…
なんなのだ一体…
智之《ともゆき》は、日に日にジレンマを感じるようになった。
ことはのふたりの妹は、実母のもとへ行った。
ことはは、義母(ゆきさん)の入院費用を智之《ともゆき》がためた大金全部でまかなったことを理由に智之《ともゆき》と強制結婚《けっこん》した。
温大《はると》は前に勤めていた職場をやめて印刷工場に転職したけど、仕事自体がうまく行かずに苦しんでいた。
麻里子《まりこ》は老健施設で働いていたが、利用者から受けたセクハラが原因でやめた。
イワマツをやめた福也《さちや》さんは、支所《やくば》に転職したが半年でやめた。
家を出たあと、兵庫県にある工場に転職した。
妻に先立たれた章弘《あきひろ》は『つまらん…』と不満ばかり言うてひねていた。
話は戻って…
智之《ともゆき》は、手提げバッグとジャケットを手にしたあとものすごく怒った表情で『行ってくる!!』と言うて席を立った。
ことはは、家から出ようとした智之《ともゆき》に対して『待って!!』と言うて止めた。
「あなた待ってよ!!」
「なんぞぉ!!」
「あなた!!朝ごはんがたくさん残っているわよ!!」
「オレは急ぐんや!!あと15分したらバスが来るのだよ!!」
「あたしが県庁に電話してあげるから!!」
「なんで電話するのだ!?」
「『朝ごはんを食べていないので、少し遅れます…』と言うてあげるから…」
「ふざけるな!!則本《ひとのいえ》のカネを根こそぎドロボーしておいてひとこともわびんのか!?」
「あなた!!」
「おどれはどこのどこまではぐいたらしい嫁だ!!オレが幹部自衛官になれなかった原因は全部オドレにあるのだ!!ふざけるなクソアマ!!」
智之《ともゆき》は、ものすごく怒った声でことはを怒鳴りつけたあと家から出ていった。
残された家族4人は、ボーゼンとした表情であたりを見渡した。
さて、その頃であった。
またところ変わって、姫路市広畑区富士町《ばんしゅうひろはたふじちょう》にある新日鉄《せいてつこうば》にて…
福也《さちや》さんは、1年ごとに更新するケーヤク社員で働いていた。
夜勤を終えた福也《さちや》さんは、自販機コーナーで紙カップのブレンドコーヒーをのんでいた。
この日は快晴で、澄みきった青空が広がっていた。
福也《さちや》さんは、澄みきった青空を見つめながらつぶやいた。
オレは…
今の暮らしをつづけていいのか…
オレは…
なんでイワマツグループをクビになったのか…
その理由が…
今も分からない…