乳房星(たらちねぼし)−1・0
【明日晴れるかな】
(ゴーッ!!)
次の日の午前11時半頃であった。
A・Bの2班のメンバーたちが乗り込んだ専用機が大阪伊丹国際空港から飛び立った。
それから2時間10分後の午後1時40分頃に専用機が那覇空港に着陸した。
A・Bの2班のメンバーたちは、専用機から降りたあとタラップ下に停まっている80人乗りの特大バスに乗り込んだ。
(ブロロロロロロロロロロロロ…)
午後2時10分頃に、80人乗りの特大バスが那覇空港から出発した。
バスは、午後3時頃にダイワロイネットホテル那覇国際通りに到着した。
A・Bの2班のメンバーたちは、バスから降りたあと館内に入った。
宿泊の手続きを終えたあと、メンバーたちは各部屋に移動した。
部屋に到着したあと、風香《フー》ちゃんは洗濯物が大量に入っている手提げ袋を持って外出した。
またところ変わって、市場本通り(アーケード街)付近にあるコインランドリーにて…
風香《フー》ちゃんは、たまっている洗濯物を大型ドラム式洗濯機に入れた。
その後、風香《フー》ちゃんは洗濯が終わるまでの間を利用して英語検定準一級を取得するための試験勉強に取り組んだ。
時は、夕方5時半頃であった。
またところ変わって、ダイワロイネットホテルの中にあるキッチン付きの豪華スイートルームにて…
風香《フー》ちゃんは、洗濯物が入っている手さげを持って帰って来た。
部屋の中には、子守女さんたち20人がいた。
子守女さんたちは、部屋の掃除などをしていた。
この時、A・Bの2班のメンバーたちは街に出かけていた。
風香《フー》ちゃんは、ゆきさんが用意してくださった柿の葉すし(駅弁)で夕食を摂った。
夕食を摂ったあと、風香《フー》ちゃんは洗濯したばかりのインナー類をたたむ作業を始めた。
時は、夕方6時頃であった。
またところ変わって、国道58号線の大通り沿いにある居酒屋にて…
100人分のスペースがある特大座敷にA・Bの2班のメンバーたちが集まっていた。
テーブルの上には、オリオンビールの大ジョッキと少なめのおつまみが並んでいた。
この居酒屋は、しめにいただくビフテキがうまい有名店である。
この時であった。
ゆりさんは、大皿に盛られている枝豆をつまみながらゆきさんに対してつらそうな声で言うた。
「ゆき!!」
「なによぅ~ゆりねーちゃん〜」
「なによぅ~じゃないでしょ!!ゆうべうちはおかーちゃんと一緒にひと晩かけてゆかとゆらを必死になってなだめたのよ!!」
「うちかてしんどいねん〜」
ゆりさんは、大ジョッキに入っているオリオンビールをひとくちのんだあと困った声でゆきさんに言うた。
「ことのほったんは、哲人《てつと》が大学で知り合ったカノジョと恋愛結婚《けっこん》したことにあるのよ!!」
「分かってるわよ〜」
「哲人《てつと》が哲人《てつと》なら、ママであるゆきもゆきよ!!…ゆらもゆらでグータラしているから…ホンマにやってられんワ!!」
「ゆりねーちゃん〜…うちはすごくつらいのよ~」
「居直った声で言わないでよ!!」
この時、ゆかさんの右となりに座っている大番頭《おおばんと》はんが困った声で言うた。
「ゆり、そないにガーガーおらぶなや〜」
私は、さびしげな表情でオリオンビールをゆっくりとのんでいた。
ドナ姐《ねえ》はんは、マァマに声をかけた。
「ジナ姐《ねえ》ちゃん。」
「なあにドナ。」
「よーくん、つらそうな表情をしているけど…」
「よーくんが生まれた時の直接の家族は、ママひとりだけで、下にきょうだいがいないのよ。」
「あっ、そうだったわね。」
ドナ姐《ねえ》はんは、ゆりさんに声をかけた。
「ゆりさん。」
「なあに?」
「ゆりさんカタの家では…しょっちゅうきょうだいゲンカがあったのね。」
「うん、あったわよ…ごはん時によく起こっていたわね。」
「ごはん時に起こっていたのね。」
「うん…ゆうべのことについては、テーブルの真ん中に置かれている大皿に盛られているたくあんをつまんだゆらが直接口に入れようとしたのでゆかが注意したのよ…それが原因で大ゲンカが生じたのよ。」
「そうだったのね。」
ドナ姐《ねえ》はんは、オリオンビールをひとくちのんだあとゆりさんに言うた。
「ゆりさん。」
「なあに?」
「ゆきさんの息子さんのことでちょっと聞きたいことがあるのよ。」
「ああ、哲人《てつと》のことね。」
「哲人《てつと》さんは、大学で知り合ったカノジョと恋愛結婚《けっこん》したよね。」
「したけど、入籍はまだよ!!」
「入籍はまだ…」
「せや…けれど、うちらは哲人《てつと》とカノジョの恋愛結婚《けっこん》…もそうだけど…いかなる相手であっても、哲人《てつと》が結婚することは大反対よ!!」
「どうして?」
「答えはかんたんよ…ママであるゆきに過去があるからよ…」
この時、ゆきさんがつらそうな声でゆりさんに言うた。
「ゆりねーちゃん〜、それは言いすぎよ〜」
「ゆきもいかん部分があるのよ!!」
「うちにどなな落ち度あるのよぉ~」
「あんたが甲南山手(神戸市東灘区)の女子大に通っていた時のことを忘れたとは言わせないわよ!!」
ドナ姐《ねえ》はんは、思案顔でゆりさんに言うた。
「ねえ、それは一体どういうことなの?」
ゆりさんは、オリオンビールをひとくちのんだあとドナ姐《ねえ》はんに説明した。
「ゆきが甲南山手の女子大に通っていた時に、チャラい格好の男とつきあっていたのよ!!…後にゆきの最初のダンナになった男よ!!」
「ゆきさんの最初のダンナさん…」
「せや…顔はたしか、Vシネマに出演していたイケメン俳優さんに似ていたみたいね…ええトコの家のボンボンで、ダイショーニブジョージョーの大企業に勤務していた…と言うてたわ…けど、おとーちゃんとおかーちゃんとうちらきょうだいは、あななチャチャラした男とゆきが結婚することに猛反対を唱えたのよ!!」
ゆきさんは、ものすごく泣きそうな声で言うた。
「ゆりねーちゃん〜やめてよ〜」
ゆりさんは、怒った声でゆきさんに言うた。
「あの時、おとーちゃんとおかーちゃんとうちらきょうだいがどなな気持ちに置かれていたのか…と言うことが全然分かっていないわよ!!…その結果、ゆきは命を落としそうになったのでしょ!!」
この時、ゆりさんのとなりに座っているゆかさんがオリオンビールをくいっとのんだ。
その後、ゆかさんはゆきさんが危険な目に遭った理由を説明した。
「ゆきの最初のダンナは、ヤクザがらみのトラブルを抱えていたのよ…うちらの猛反対を押し切ってカレと結婚したゆきは、戸畑にある小さなアパートに移り住んだのよ…ダイショーニブジョージョーの大企業に勤務していたのは大ウソ…ホンネは、自称プロ雀師だったわよ…ゆきが最初のダンナと結婚してから数年後だったわ…最初に生まれた娘(当時5つ)がヤクザの男たちに誘拐されたのよ…ゆきの最初のダンナが…旦過市場《いちば》でヤクザと乱闘事件を起こしたのよ…ゆきの最初のダンナが数人の男を殺して逃げたのよ…」
「その報復で…ゆきさんの最初の娘さんが誘拐された…」
「そうよ…ゆきとダンナは、助けを求める形で実家《うち》に来たのよ…『娘をダッカンしたい…犯人から5000万(の身代金)を要求された…』と言うた…せやけど、うちらはきっぱりと断った…うちらの猛反対を押し切ってかけおちしたゆきとダンナに支払うゼニを出すのがうざかったから断った…その結果…ゆきの最初の娘は、時限爆弾によって…命を落とした…それから数日後…ゆきの最初のダンナは、とんでもないボウキョに出た…ゆきの最初のダンナは、門司区にあった交番で警察官を刃物で斬《き》りつけて殺したあと拳銃を奪った…そして、娘を殺したヤクザの親分を拳銃で射殺したのよ!!…その結果、今度はゆきが誘拐されたのよ!!」
「ゆきさんが…仲間のヤクザたちに誘拐されたって…」
「せや。」
そこから先の話は、ゆりさんが説明した。
「ゆきはその時、コンクリ詰めに遭うところだったのよ!!」
「コンクリ詰め…」
「この時、ゆきのダンナがうちらに助けを求めに来たのよ!!…『心を入れ替えるからゆきを助けてくれ…』…うちらの前でビービービービービービービービービービービービービービー泣いていた…その時、おとーちゃんは大急ぎでセートーハの弁護士さんに頼んだ…『時間がない…あと1日しかない…』…おとーちゃんは必死になって弁護士さんに頼んだのよ!!…この時、弁護士さんは、住んでいた豪邸《いえ》を売って…5000万円を得た…そのお金で、うちらはゆきをダッカンしたのよ…その後、ゆきの最初のダンナは福岡県警《けんけい》に逮捕されたわよ…それから6ヶ月後に裁判で無期懲役を言い渡された…しかし…裁判所内に隠れていた暗殺者《ころしや》が持っていたトカレフで撃ち殺されたのよ。」
「ゆきさんの最初のダンナさんが…トカレフでどたまぶち抜かれたって…」
「せや…ゆきの最初のダンナは、交友関係が悪いのよ…その上に前科がたくさんあったのよ…」
「哲人《てつと》さんは、どなたのお子さまなの?」
「哲人《てつと》は、2番目のダンナと再婚した時に生まれた子よ…あの時お世話になったセートーハの弁護士さんの知人の知人の男性の次男さんよ…せやけど、2番目に身ごもった子が死産したのよ…哲人《てつと》のホンマのテテオヤは、2番目のダンナのテテオヤよ…2番目のダンナのテテオヤはオンナグセがものすごく悪いじいさんだったのよ…ゆきは…2番目のダンナのテテオヤにレイプされたのよ…」
「それじゃあ、哲人《てつと》さんは…」
「そう言うことよ…」
ゆりさんは、説明を終えたあと大ジョッキに入っているオリオンビールをごくごくとのみほした。
この時、A・Bの2班のメンバーたちは『もうお酒はいい…』とつぶやいた。
ゆりさんは、ひと息ついてからこう言うた。
「それじゃあ、みんなでしめのビフテキを食べようか。」
A・Bの2班のメンバーたちは、このあと1セット4500円のビフテキセットで夕食を摂った。
次の日の午前11時半頃であった。
A・Bの2班のメンバーたちが乗り込んだ専用機が大阪伊丹国際空港から飛び立った。
それから2時間10分後の午後1時40分頃に専用機が那覇空港に着陸した。
A・Bの2班のメンバーたちは、専用機から降りたあとタラップ下に停まっている80人乗りの特大バスに乗り込んだ。
(ブロロロロロロロロロロロロ…)
午後2時10分頃に、80人乗りの特大バスが那覇空港から出発した。
バスは、午後3時頃にダイワロイネットホテル那覇国際通りに到着した。
A・Bの2班のメンバーたちは、バスから降りたあと館内に入った。
宿泊の手続きを終えたあと、メンバーたちは各部屋に移動した。
部屋に到着したあと、風香《フー》ちゃんは洗濯物が大量に入っている手提げ袋を持って外出した。
またところ変わって、市場本通り(アーケード街)付近にあるコインランドリーにて…
風香《フー》ちゃんは、たまっている洗濯物を大型ドラム式洗濯機に入れた。
その後、風香《フー》ちゃんは洗濯が終わるまでの間を利用して英語検定準一級を取得するための試験勉強に取り組んだ。
時は、夕方5時半頃であった。
またところ変わって、ダイワロイネットホテルの中にあるキッチン付きの豪華スイートルームにて…
風香《フー》ちゃんは、洗濯物が入っている手さげを持って帰って来た。
部屋の中には、子守女さんたち20人がいた。
子守女さんたちは、部屋の掃除などをしていた。
この時、A・Bの2班のメンバーたちは街に出かけていた。
風香《フー》ちゃんは、ゆきさんが用意してくださった柿の葉すし(駅弁)で夕食を摂った。
夕食を摂ったあと、風香《フー》ちゃんは洗濯したばかりのインナー類をたたむ作業を始めた。
時は、夕方6時頃であった。
またところ変わって、国道58号線の大通り沿いにある居酒屋にて…
100人分のスペースがある特大座敷にA・Bの2班のメンバーたちが集まっていた。
テーブルの上には、オリオンビールの大ジョッキと少なめのおつまみが並んでいた。
この居酒屋は、しめにいただくビフテキがうまい有名店である。
この時であった。
ゆりさんは、大皿に盛られている枝豆をつまみながらゆきさんに対してつらそうな声で言うた。
「ゆき!!」
「なによぅ~ゆりねーちゃん〜」
「なによぅ~じゃないでしょ!!ゆうべうちはおかーちゃんと一緒にひと晩かけてゆかとゆらを必死になってなだめたのよ!!」
「うちかてしんどいねん〜」
ゆりさんは、大ジョッキに入っているオリオンビールをひとくちのんだあと困った声でゆきさんに言うた。
「ことのほったんは、哲人《てつと》が大学で知り合ったカノジョと恋愛結婚《けっこん》したことにあるのよ!!」
「分かってるわよ〜」
「哲人《てつと》が哲人《てつと》なら、ママであるゆきもゆきよ!!…ゆらもゆらでグータラしているから…ホンマにやってられんワ!!」
「ゆりねーちゃん〜…うちはすごくつらいのよ~」
「居直った声で言わないでよ!!」
この時、ゆかさんの右となりに座っている大番頭《おおばんと》はんが困った声で言うた。
「ゆり、そないにガーガーおらぶなや〜」
私は、さびしげな表情でオリオンビールをゆっくりとのんでいた。
ドナ姐《ねえ》はんは、マァマに声をかけた。
「ジナ姐《ねえ》ちゃん。」
「なあにドナ。」
「よーくん、つらそうな表情をしているけど…」
「よーくんが生まれた時の直接の家族は、ママひとりだけで、下にきょうだいがいないのよ。」
「あっ、そうだったわね。」
ドナ姐《ねえ》はんは、ゆりさんに声をかけた。
「ゆりさん。」
「なあに?」
「ゆりさんカタの家では…しょっちゅうきょうだいゲンカがあったのね。」
「うん、あったわよ…ごはん時によく起こっていたわね。」
「ごはん時に起こっていたのね。」
「うん…ゆうべのことについては、テーブルの真ん中に置かれている大皿に盛られているたくあんをつまんだゆらが直接口に入れようとしたのでゆかが注意したのよ…それが原因で大ゲンカが生じたのよ。」
「そうだったのね。」
ドナ姐《ねえ》はんは、オリオンビールをひとくちのんだあとゆりさんに言うた。
「ゆりさん。」
「なあに?」
「ゆきさんの息子さんのことでちょっと聞きたいことがあるのよ。」
「ああ、哲人《てつと》のことね。」
「哲人《てつと》さんは、大学で知り合ったカノジョと恋愛結婚《けっこん》したよね。」
「したけど、入籍はまだよ!!」
「入籍はまだ…」
「せや…けれど、うちらは哲人《てつと》とカノジョの恋愛結婚《けっこん》…もそうだけど…いかなる相手であっても、哲人《てつと》が結婚することは大反対よ!!」
「どうして?」
「答えはかんたんよ…ママであるゆきに過去があるからよ…」
この時、ゆきさんがつらそうな声でゆりさんに言うた。
「ゆりねーちゃん〜、それは言いすぎよ〜」
「ゆきもいかん部分があるのよ!!」
「うちにどなな落ち度あるのよぉ~」
「あんたが甲南山手(神戸市東灘区)の女子大に通っていた時のことを忘れたとは言わせないわよ!!」
ドナ姐《ねえ》はんは、思案顔でゆりさんに言うた。
「ねえ、それは一体どういうことなの?」
ゆりさんは、オリオンビールをひとくちのんだあとドナ姐《ねえ》はんに説明した。
「ゆきが甲南山手の女子大に通っていた時に、チャラい格好の男とつきあっていたのよ!!…後にゆきの最初のダンナになった男よ!!」
「ゆきさんの最初のダンナさん…」
「せや…顔はたしか、Vシネマに出演していたイケメン俳優さんに似ていたみたいね…ええトコの家のボンボンで、ダイショーニブジョージョーの大企業に勤務していた…と言うてたわ…けど、おとーちゃんとおかーちゃんとうちらきょうだいは、あななチャチャラした男とゆきが結婚することに猛反対を唱えたのよ!!」
ゆきさんは、ものすごく泣きそうな声で言うた。
「ゆりねーちゃん〜やめてよ〜」
ゆりさんは、怒った声でゆきさんに言うた。
「あの時、おとーちゃんとおかーちゃんとうちらきょうだいがどなな気持ちに置かれていたのか…と言うことが全然分かっていないわよ!!…その結果、ゆきは命を落としそうになったのでしょ!!」
この時、ゆりさんのとなりに座っているゆかさんがオリオンビールをくいっとのんだ。
その後、ゆかさんはゆきさんが危険な目に遭った理由を説明した。
「ゆきの最初のダンナは、ヤクザがらみのトラブルを抱えていたのよ…うちらの猛反対を押し切ってカレと結婚したゆきは、戸畑にある小さなアパートに移り住んだのよ…ダイショーニブジョージョーの大企業に勤務していたのは大ウソ…ホンネは、自称プロ雀師だったわよ…ゆきが最初のダンナと結婚してから数年後だったわ…最初に生まれた娘(当時5つ)がヤクザの男たちに誘拐されたのよ…ゆきの最初のダンナが…旦過市場《いちば》でヤクザと乱闘事件を起こしたのよ…ゆきの最初のダンナが数人の男を殺して逃げたのよ…」
「その報復で…ゆきさんの最初の娘さんが誘拐された…」
「そうよ…ゆきとダンナは、助けを求める形で実家《うち》に来たのよ…『娘をダッカンしたい…犯人から5000万(の身代金)を要求された…』と言うた…せやけど、うちらはきっぱりと断った…うちらの猛反対を押し切ってかけおちしたゆきとダンナに支払うゼニを出すのがうざかったから断った…その結果…ゆきの最初の娘は、時限爆弾によって…命を落とした…それから数日後…ゆきの最初のダンナは、とんでもないボウキョに出た…ゆきの最初のダンナは、門司区にあった交番で警察官を刃物で斬《き》りつけて殺したあと拳銃を奪った…そして、娘を殺したヤクザの親分を拳銃で射殺したのよ!!…その結果、今度はゆきが誘拐されたのよ!!」
「ゆきさんが…仲間のヤクザたちに誘拐されたって…」
「せや。」
そこから先の話は、ゆりさんが説明した。
「ゆきはその時、コンクリ詰めに遭うところだったのよ!!」
「コンクリ詰め…」
「この時、ゆきのダンナがうちらに助けを求めに来たのよ!!…『心を入れ替えるからゆきを助けてくれ…』…うちらの前でビービービービービービービービービービービービービービー泣いていた…その時、おとーちゃんは大急ぎでセートーハの弁護士さんに頼んだ…『時間がない…あと1日しかない…』…おとーちゃんは必死になって弁護士さんに頼んだのよ!!…この時、弁護士さんは、住んでいた豪邸《いえ》を売って…5000万円を得た…そのお金で、うちらはゆきをダッカンしたのよ…その後、ゆきの最初のダンナは福岡県警《けんけい》に逮捕されたわよ…それから6ヶ月後に裁判で無期懲役を言い渡された…しかし…裁判所内に隠れていた暗殺者《ころしや》が持っていたトカレフで撃ち殺されたのよ。」
「ゆきさんの最初のダンナさんが…トカレフでどたまぶち抜かれたって…」
「せや…ゆきの最初のダンナは、交友関係が悪いのよ…その上に前科がたくさんあったのよ…」
「哲人《てつと》さんは、どなたのお子さまなの?」
「哲人《てつと》は、2番目のダンナと再婚した時に生まれた子よ…あの時お世話になったセートーハの弁護士さんの知人の知人の男性の次男さんよ…せやけど、2番目に身ごもった子が死産したのよ…哲人《てつと》のホンマのテテオヤは、2番目のダンナのテテオヤよ…2番目のダンナのテテオヤはオンナグセがものすごく悪いじいさんだったのよ…ゆきは…2番目のダンナのテテオヤにレイプされたのよ…」
「それじゃあ、哲人《てつと》さんは…」
「そう言うことよ…」
ゆりさんは、説明を終えたあと大ジョッキに入っているオリオンビールをごくごくとのみほした。
この時、A・Bの2班のメンバーたちは『もうお酒はいい…』とつぶやいた。
ゆりさんは、ひと息ついてからこう言うた。
「それじゃあ、みんなでしめのビフテキを食べようか。」
A・Bの2班のメンバーたちは、このあと1セット4500円のビフテキセットで夕食を摂った。