乳房星(たらちねぼし)−1・0
【時間よ止まれ】
時は、朝8時10分頃であった。
またところ変わって、堺市《さかい》の大番頭《おおばんと》はんの家の大広間にて…
家の特大広間にいとがいた。
いとは、朝早くからバタバタと動いていた。
明憲《ムコハン》は、職場の人のお誘いでゴルフに行った…
沙都水《さとみ》とあかりは、友人たちのグループと一緒に大阪市中心部へ遊びに行った…
…ので、家にいなかった。
いとがものすごくあわただしく動いていた時に、ゆらさんがのんきな表情でやって来た。
「あっ、おかーちゃん…きょうお客様が来るの?」
「当たり前でしょ!!せやからおかーちゃんはバタバタしているのよ!!…きょうの一席《せき》は、哲人《てつと》のねぼけた性格を治すために作ったのよ!!」
「いよる意味がわからへん…」
「せやから、哲人《てつと》のねぼけた性格を治すために一席《せき》を作ったのよ!!」
「せやから、おかーちゃんは哲人《てつと》のなにが気に入らんねん…大学で研究していることがそないに気にいらんの?」
「気に入らないから一席《せき》を作ったのよ!!」
いとは、ひとテンポあけてからゆらさんに言うた。
「お向かいの徳重さん方の次男くんは、哲人《てつと》と同い年だけど…陸上自衛隊の三等陸曹になったので終身雇用になったのよ!!…そのまたお向かいの紺原《こんばら》さんの三男くんも哲人《てつと》と同い年だけど、大手製薬会社でケーリのお仕事をしているのよ!!」
「おかーちゃん!!またその話しよる!!」
「おかーちゃんは、哲人《てつと》が終身雇用でコンスタントに動くことができる職場に就職することをより強く望んでいるのよ!!」
「おかーちゃん!!ええかげんにしてよもう!!おかーちゃんがそないにいらついたら、哲人《てつと》の怒りがその分高まるわよ!!」
「あのね!!おかーちゃんはひどくあせっているのよ!!研究だけでは食べていくことができないのよ!!食べるためには終身雇用でコンスタントに動ける職場じゃないとアカンのよ!!」
時は、朝8時50分頃であった。
家の前に80人乗りの特大バスが到着した。
バスの中からゆきさんと風香《フー》ちゃんが降りた。
その後、バスが出発した。
ゆきさんは、家の中に入った。
風香《フー》ちゃんは、このあとコインランドリーへ歩いて向かった。
またところ変わって、家の中にて…
いととゆきさんがガーガーおらびあいをしていた時にゆきさんがやって来た。
「おかーちゃん!!ゆらねーちゃん!!」
「あらゆき、いま帰って来たのね。」
ゆらさんがのんきな声で言うたので、ゆきさんはつらそうな声で言うた。
「うちはおかーちゃんが『帰って来て…』と言うたから仕方なく帰って来たのよ!!」
ゆらさんは、めんどくさい声で言うた。
「そないに泣きそうな声で言わんでもええやん〜」
「言いたくもなるわよ!!」
(ピンポーン〜)
この時、玄関の呼鈴《ベル》が鳴った。
「うちが行く〜」
ゆらさんが玄関の応対に出た。
しばらくして、ゆらさんが哲人《てつと》さんを連れてきた。
「おかーちゃん、哲人《てつと》が帰って来たよ〜」
つづいて、哲人《てつと》がやって来た。
「おばあちゃん〜」
「哲人《てつと》、帰って来たのね。」
「おばあちゃん!!なんで急な予定を入れたのだよ!?」
「おばあちゃんは、お前のねぼけた性格を治すために一席《せき》を設けたのよ!!」
「なんやねんもう!!」
「おばあちゃんは、お前が大学で研究していることが気に入らないからイライラしているのよ!!」
たまりかねたゆきさんが泣きそうな声で言うた。
「おかーちゃんやめてよ!!うちはいそがしいのにどうにか時間を作ってここへ来たのよ!!」
「分かってるわよ!!」
ゆきさんといとは、このあともわけの分からないことをぐちゃぐちゃと言いつづけた。
時は、朝9時半頃であった。
A・Bの2班のメンバーたちが乗っている80人乗りの特大バスが大阪梅田のホテル阪急インターナショナルに到着した。
A・Bの2班のメンバーたちは、バスから降りたあと館内のエントランスホールに入った。
エントランスホールでC班のメンバーたちとポムじいさんとゆみさんとエレンさんと合流した。
このあと、朝10時半からエントランスホールにあるカフェテリアでイワマツグループとイワマツ家の予算案のことについて協議する予定である。
時は、午前11時頃であった。
大番頭《おおばんと》はんの家の特大広間のテーブルにゆきさんといとと哲人《てつと》とまきたくみ夫婦と夫婦の知人の水口重樹《みなぐちしげき》と次女の奈保子《なおこ》さん(26歳)と長富花栄《ながとみはなえ》・光男《みつお》夫婦《ふうふ》と長男・公則《まさのり》(30歳)が集まっていた。
広間にきんぱくした空気が流れていた。
その中で、たくみが哲人《てつと》に対して過度に優しい声で言うた。
「哲人《てつと》さん、話を聞いてくれるかな?」
哲人《てつと》は、ひねた声で『なんでしょうか?』と言うた。
たくみは、哲人《てつと》に対して過度に優しい声で言うた。
「哲人《てつと》さんは、大学で知り合った女性と挙式披露宴を挙げたのだね。」
「挙げましたけど…」
「婚姻届《しょめん》は?」
「まだ(市役所に)出してませんけど…」
「それじゃあ、(カノジョ)さんを長富《ながとみ》の長男くんにゆずってくれるかな?」
「(哲人、おどろいた声で言う)(カノジョ)を譲れって…どうしてですか!?」
「哲人《てつと》さん、ぼくたちは哲人《てつと》さんを困らせるために言うたのじゃないのだよ…きちんとジンテキホショウはするから(カノジョ)さんを長富《ながとみ》の長男に譲れと言うてるのだよ〜」
「なんで譲らなきゃいかんのですか?」
「だから、長富《ながとみ》の長男くんは『お嫁さんがほしい…』と言うてるのだよ〜…」
「だから譲れと言うことですか?」
「そうだよ…ジンテキホショウはするから(カノジョ)さんを長富《ながとみ》の長男に譲ってくれ〜」
この時であった。
いとのとなりに座っている花栄《はなえ》が公則《まさのり》に対して怒った声で言うた。
「公則《まさのり》!!」
「なんだよ〜」
「お願いしなさい!!」
公則《まさのり》は、ものすごくつらそうな表情で言うた。
「だから、なにをお願いするのだよ〜」
「『お嫁さんがほしいから(カノジョ)さんをください!!』と言うのよ!!」
「言えないよ〜」
「困ったわね〜…あなた!!」
花栄《はなえ》に怒鳴られた光男《みつお》は、なにも言えずにコンワクした。
花栄《はなえ》は、ものすごくいらついた表情で公則《まさのり》の右腕をひいて哲人《てつと》のもとに行った。
花栄《はなえ》は、哲人《てつと》に言いにくい声で言うた。
「哲人《てつと》さん…お願いがあるけど…公則《まさのり》のために…(カノジョ)さんと別れてください…公則《まさのり》…お願いしなさい!!」
「ムリだよ〜」
「君波の家の人が公則《まさのり》のために一席《せき》を拵《こしら》えてくださったのよ!!…小松島の家の人は、哲人《てつと》さんのジンテキホショウをするために水口《みなくち》の次女さまと恋人さまを別れさせたのよ!!」
それを聞いたゆきさんが思い切りブチ切れた。
「おかーちゃん!!これは一体どう言うことよ!?」
「ゆき、なにを怒ってるのよ?」
「怒りたくもなるわよ!!まき夫婦はなんでこなないらんことしたのよ!?」
ゆきさんに怒鳴られたまきは、ものすごく困った声で言うた。
「だから、主人がドーキで一番に課長昇進《ショーシン》したいから…」
「ますますはぐいたらしいいとこね!!」
「ゆきさん…」
「ふざけるな!!もう怒ったわよ!!」
思い切りブチ切れたゆきさんは、よりし烈な声でまきを怒鳴りつけた。
思い切り怒鳴られたまきは、イシュクした。
ゆきさんが思い切りブチ切れたことが原因で、話し合いができなくなった。
またところ変わって、堺市《さかい》の大番頭《おおばんと》はんの家の大広間にて…
家の特大広間にいとがいた。
いとは、朝早くからバタバタと動いていた。
明憲《ムコハン》は、職場の人のお誘いでゴルフに行った…
沙都水《さとみ》とあかりは、友人たちのグループと一緒に大阪市中心部へ遊びに行った…
…ので、家にいなかった。
いとがものすごくあわただしく動いていた時に、ゆらさんがのんきな表情でやって来た。
「あっ、おかーちゃん…きょうお客様が来るの?」
「当たり前でしょ!!せやからおかーちゃんはバタバタしているのよ!!…きょうの一席《せき》は、哲人《てつと》のねぼけた性格を治すために作ったのよ!!」
「いよる意味がわからへん…」
「せやから、哲人《てつと》のねぼけた性格を治すために一席《せき》を作ったのよ!!」
「せやから、おかーちゃんは哲人《てつと》のなにが気に入らんねん…大学で研究していることがそないに気にいらんの?」
「気に入らないから一席《せき》を作ったのよ!!」
いとは、ひとテンポあけてからゆらさんに言うた。
「お向かいの徳重さん方の次男くんは、哲人《てつと》と同い年だけど…陸上自衛隊の三等陸曹になったので終身雇用になったのよ!!…そのまたお向かいの紺原《こんばら》さんの三男くんも哲人《てつと》と同い年だけど、大手製薬会社でケーリのお仕事をしているのよ!!」
「おかーちゃん!!またその話しよる!!」
「おかーちゃんは、哲人《てつと》が終身雇用でコンスタントに動くことができる職場に就職することをより強く望んでいるのよ!!」
「おかーちゃん!!ええかげんにしてよもう!!おかーちゃんがそないにいらついたら、哲人《てつと》の怒りがその分高まるわよ!!」
「あのね!!おかーちゃんはひどくあせっているのよ!!研究だけでは食べていくことができないのよ!!食べるためには終身雇用でコンスタントに動ける職場じゃないとアカンのよ!!」
時は、朝8時50分頃であった。
家の前に80人乗りの特大バスが到着した。
バスの中からゆきさんと風香《フー》ちゃんが降りた。
その後、バスが出発した。
ゆきさんは、家の中に入った。
風香《フー》ちゃんは、このあとコインランドリーへ歩いて向かった。
またところ変わって、家の中にて…
いととゆきさんがガーガーおらびあいをしていた時にゆきさんがやって来た。
「おかーちゃん!!ゆらねーちゃん!!」
「あらゆき、いま帰って来たのね。」
ゆらさんがのんきな声で言うたので、ゆきさんはつらそうな声で言うた。
「うちはおかーちゃんが『帰って来て…』と言うたから仕方なく帰って来たのよ!!」
ゆらさんは、めんどくさい声で言うた。
「そないに泣きそうな声で言わんでもええやん〜」
「言いたくもなるわよ!!」
(ピンポーン〜)
この時、玄関の呼鈴《ベル》が鳴った。
「うちが行く〜」
ゆらさんが玄関の応対に出た。
しばらくして、ゆらさんが哲人《てつと》さんを連れてきた。
「おかーちゃん、哲人《てつと》が帰って来たよ〜」
つづいて、哲人《てつと》がやって来た。
「おばあちゃん〜」
「哲人《てつと》、帰って来たのね。」
「おばあちゃん!!なんで急な予定を入れたのだよ!?」
「おばあちゃんは、お前のねぼけた性格を治すために一席《せき》を設けたのよ!!」
「なんやねんもう!!」
「おばあちゃんは、お前が大学で研究していることが気に入らないからイライラしているのよ!!」
たまりかねたゆきさんが泣きそうな声で言うた。
「おかーちゃんやめてよ!!うちはいそがしいのにどうにか時間を作ってここへ来たのよ!!」
「分かってるわよ!!」
ゆきさんといとは、このあともわけの分からないことをぐちゃぐちゃと言いつづけた。
時は、朝9時半頃であった。
A・Bの2班のメンバーたちが乗っている80人乗りの特大バスが大阪梅田のホテル阪急インターナショナルに到着した。
A・Bの2班のメンバーたちは、バスから降りたあと館内のエントランスホールに入った。
エントランスホールでC班のメンバーたちとポムじいさんとゆみさんとエレンさんと合流した。
このあと、朝10時半からエントランスホールにあるカフェテリアでイワマツグループとイワマツ家の予算案のことについて協議する予定である。
時は、午前11時頃であった。
大番頭《おおばんと》はんの家の特大広間のテーブルにゆきさんといとと哲人《てつと》とまきたくみ夫婦と夫婦の知人の水口重樹《みなぐちしげき》と次女の奈保子《なおこ》さん(26歳)と長富花栄《ながとみはなえ》・光男《みつお》夫婦《ふうふ》と長男・公則《まさのり》(30歳)が集まっていた。
広間にきんぱくした空気が流れていた。
その中で、たくみが哲人《てつと》に対して過度に優しい声で言うた。
「哲人《てつと》さん、話を聞いてくれるかな?」
哲人《てつと》は、ひねた声で『なんでしょうか?』と言うた。
たくみは、哲人《てつと》に対して過度に優しい声で言うた。
「哲人《てつと》さんは、大学で知り合った女性と挙式披露宴を挙げたのだね。」
「挙げましたけど…」
「婚姻届《しょめん》は?」
「まだ(市役所に)出してませんけど…」
「それじゃあ、(カノジョ)さんを長富《ながとみ》の長男くんにゆずってくれるかな?」
「(哲人、おどろいた声で言う)(カノジョ)を譲れって…どうしてですか!?」
「哲人《てつと》さん、ぼくたちは哲人《てつと》さんを困らせるために言うたのじゃないのだよ…きちんとジンテキホショウはするから(カノジョ)さんを長富《ながとみ》の長男に譲れと言うてるのだよ〜」
「なんで譲らなきゃいかんのですか?」
「だから、長富《ながとみ》の長男くんは『お嫁さんがほしい…』と言うてるのだよ〜…」
「だから譲れと言うことですか?」
「そうだよ…ジンテキホショウはするから(カノジョ)さんを長富《ながとみ》の長男に譲ってくれ〜」
この時であった。
いとのとなりに座っている花栄《はなえ》が公則《まさのり》に対して怒った声で言うた。
「公則《まさのり》!!」
「なんだよ〜」
「お願いしなさい!!」
公則《まさのり》は、ものすごくつらそうな表情で言うた。
「だから、なにをお願いするのだよ〜」
「『お嫁さんがほしいから(カノジョ)さんをください!!』と言うのよ!!」
「言えないよ〜」
「困ったわね〜…あなた!!」
花栄《はなえ》に怒鳴られた光男《みつお》は、なにも言えずにコンワクした。
花栄《はなえ》は、ものすごくいらついた表情で公則《まさのり》の右腕をひいて哲人《てつと》のもとに行った。
花栄《はなえ》は、哲人《てつと》に言いにくい声で言うた。
「哲人《てつと》さん…お願いがあるけど…公則《まさのり》のために…(カノジョ)さんと別れてください…公則《まさのり》…お願いしなさい!!」
「ムリだよ〜」
「君波の家の人が公則《まさのり》のために一席《せき》を拵《こしら》えてくださったのよ!!…小松島の家の人は、哲人《てつと》さんのジンテキホショウをするために水口《みなくち》の次女さまと恋人さまを別れさせたのよ!!」
それを聞いたゆきさんが思い切りブチ切れた。
「おかーちゃん!!これは一体どう言うことよ!?」
「ゆき、なにを怒ってるのよ?」
「怒りたくもなるわよ!!まき夫婦はなんでこなないらんことしたのよ!?」
ゆきさんに怒鳴られたまきは、ものすごく困った声で言うた。
「だから、主人がドーキで一番に課長昇進《ショーシン》したいから…」
「ますますはぐいたらしいいとこね!!」
「ゆきさん…」
「ふざけるな!!もう怒ったわよ!!」
思い切りブチ切れたゆきさんは、よりし烈な声でまきを怒鳴りつけた。
思い切り怒鳴られたまきは、イシュクした。
ゆきさんが思い切りブチ切れたことが原因で、話し合いができなくなった。