乳房星(たらちねぼし)−1・0

【お互いさまやん】

時は、ハンガリー時間11月17日の午後1時過ぎであった。

またところ変わって、ブダペスト中心地にある市民公園にて…

A・Bの2班のメンバーたちは、公園内にあるセーチェニ温泉で療養していた。

A・Bの2班のメンバーたちは、水着姿で入浴していた。

場所は、温泉チェスのコーナーにて…

温泉チェスのコーナに私とゆりさんとゆかさんとゆきさんとマァマとドナ姐《ねえ》はんの6人がいた。

私は、マァマと温泉チェスを楽しんでいた。

ゆりさんはドナ姐《ねえ》はんと…

ゆかさんはゆきさんと…

それぞれ温泉チェスを楽しんでいた。

この時、ドナ姐《ねえ》はんと温泉チェスを楽しんでいるゆりさんがゆきさんに声をかけた。

「ゆき。」
「ゆりねーちゃん。」
「ゆきのムコハンが子ども3人連れて北海道胆振東部《いぶりのいなか》に帰ったみたいね。」
「ムコハンの実家で非常事態が発生したのよ…せやけん、実家へ帰ったのよ~」
「非常事態が発生したって?」
「せや…」

ゆかさんは、ビショップのコマをななめに進めながらゆりさんに言うた。

「実家のじいじのめんどうを見るためよ。」
「ムコハンのじいじのめんどうを見るためって…」
「おねーちゃん、知らんかったの?…ムコハンのじいじは…認知症がひどくなったのよ。」
「認知症がひどくなった…」
「せや…そうよね…ゆき。」

ゆかさんの問いに対して、ゆきさんはつらい表情でコクンとうなずいた。

ゆかさんは、次の一手を考えながらこう言うた。

「ムコハンのじいじは、特別養護《トクロー》で暮らしていたのよ…せやけど、まわりの雰囲気になじむことができなかったのよ…それが原因で…施設内でトラブルを起こした…その後、タイキョになったのよ…」

ゆりさんは、困った声で『なんとも言えないわね〜』と言いながら盤上《ばんじょう》に置かれているコマをどれかひとつ進めた。

ゆりさんは、次の一手を考えながらこう言うた。

「あの様子では…二度と堺市《さかい》に帰ることはないみたいよ。」

ゆかさんは、次の一手を考えながら言うた。

「たぶん、そうかもしれないわね。」

ゆりさんは、盤上《ばんじょう》に置かれているコマをどれかひとつ進めながら言うた。

「ムコハンのじいじの認知症は、極度に悪いみたいよ…せやけん、家族総出でめんどうを見ないとアカンねん…」
「もう、そななところまで悪くなったのね。」

ゆかさんは、向かいにいるゆきさんに声をかけた。

「ゆき。」
「ゆかねーちゃん。」
「あんた…ムコハンとやり直す意思はあんの?」
「もうないわよ…うち…リコンとサイコンをくり返してばかりいたから…しんどいねん。」

ゆりさんは『そうよね〜』と言いながら次の一手を考えていた。

ゆきさんは、つらい声で言うた。

「うち、ムコハンとリコンする…ムコハンもうちとやり直す気はないと言うてるさかいに…」

ゆきさんの向かいにいるゆかさんは『その方がいいわよ〜』と言うてからこう言うた。

「うちらは、明憲《ムコハン》のことは好ましく思ってへんねん…お見合いの席でヘラヘラヘラヘラヘラヘラとわらいながらうちらに接していた…」

ゆりさんは、次の一手を考えながら言うた。

「そのとおりよ…ムコハンは第一印象が悪い男よ…『嫁はんに逃げられて困っているのです…お願いします…』って…ムコハンはヘラヘラヘラヘラわらいながら言うた…ムコハンのオカンとオトンも態度が悪かったし…うちらは…ムコハンの家と親せきになるのがものすごくイヤだった…せやけん、ムコハンはゆきに逃げられたのよ!!」

ゆかさんは『そうよね〜』と言いながらビショップのコマをななめに進めた。

私とマァマは、ひとことも言わずにチェスを楽しんでいた。

ドナ姐《ねえ》はんは、ひとことも言わずに次の一手を考えていた。

さて、その頃であった。

ゆみさんのムチャブリを受けた公則《まさのり》は、マリンホールディングスの石頭のCEOに対してジカダンパンをしていた。

しかし、周辺にいる男たち30人たちからボコボコにどつき回されてばかりいたのでうまくいかなかった。

公則《まさのり》は、ヨレヨレになりながらも目的を達成させようとヤッキになった。

それでうまくいくのだろうか…

大丈夫?
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