乳房星(たらちねぼし)−1・0
【あんたのバラード】
時は、12月6日の朝9時頃であった。
イワマツグループの全メンバーたちは、南《はえ》ぬ石垣空港にいた。
他の航空機との時間調整のために専用機が待機していた。
場所は、空港ターミナルビル内にある立ち食い式の八重山そば屋にて…
イワマツグループの全メンバーたちは、一杯500円の八重山そばで朝食を摂っていた。
この時、ゆきさんが店にいなかった。
ゆきさんは、電話の応対をしていたので席を外していた。
ゆきさんは、店から30歩先の場所で電話の応対をしていた。
電話は、いとからであった。
二つ折り(ケータイ)で電話の応対をしているゆきさんは、受話器ごしにいるいとに対して困った声で言うた。
「もしもしおかーちゃん、いつ帰って来るのと言われても困るわよ…ゆらねーちゃんがもめ事を起こすたびに予定変更をしいられるのはイヤやさかいに…今のうちらはゆとりがないのよ!!…おかーちゃん、うちの話を聞いてんの!?…もうええ!!」
(ガチャーン!!)
思い切りブチ切れたゆきさんは、電話をガチャーンと切ったあと二つ折りをポーチにしまった。
その後、店のカウンターに戻った。
八重山そばを食べているゆかさんは、カウンターに戻ってきたゆきさんに声をかけた。
「ゆき、早く食べなよ…そばのびちゃうわよ〜」
「そないに言わんでも分かってんねん…」
「どこから電話がかかったのよ?」
「おかーちゃんよ〜…ゆらねーちゃんがもめ事を起こすたびにいつになったら帰るの…と言うからうんざりよ!!」
ゆきさんは、食べかけの八重山そばを再び食べ始めた。
ゆきさんの左となりにいるゆりさんは、近くに置かれていたピィヤーシ(ピリから)の小びんを手にしたあと、味を調整した。
ゆりさんは、ピィヤーシで味を調整しながら言うた。
「おかーちゃんの心細い気持ちは分かるけど、うちらは堺市《さかい》に帰ることができんねん…そないに心細いと言うのであれば、外へ出ればええのに…ゲートボールでも社交ダンスでも生け花でもアートでも…習い事に行けば、世界が広くなるのよ…遥輝《はるき》も遥輝《はるき》でムカンシンだからますますアカンねん…」
この時、ゆりさんの左となりにいるゆなさんがゆりさんに声をかけた。
「ゆりねーちゃん、ゆりねーちゃん…ピリから入れすぎてんねん…」
「えっ?」
ゆなさんから入れすぎと言われたゆりさんは、スープをひとくちすすってみた。
「ちょうどええ味やん…」
ゆかさんは、困った声で言うた。
「ゆらはちいちゃい時から刺激物ばかりを摂っていたのよ…せやけん、キレてしまう子に育ったのよ…おかーちゃんとおとーちゃんとうちらは、ゆらに対してバランスの摂れた食事しなさいと言うたのに…ゆらは言うことをきかへんかった…おねーちゃん、ゆらは中学高校にいた時お弁当を持っていかなかったよね。」
ゆりさんは『ああ、せやったね〜持って行かなかったわ…』と答えた。
ゆかさんは、ピィヤーシを少し入れたあとスープにまぜながら言うた。
「ゆらはその時、他の生徒のお弁当を分けてもろて食べていたわよ…(友だち)ちゃんのおかーちゃんが作ったお弁当はサイコーねと言うてたわ…ほんで、おかーちゃんは弁当を作るのがドヘタ…と言うてたわよ…」
ゆかさんの右ふたつとなりにいるゆみさんは、スープをひとくちすすってから言うた。
「ああ、ゆらはたしかにそない言うてたわ…ゆらはおかーちゃんが早起きして一生懸命にこしらえたお弁当のありがたみが分からないのよ!!」
ゆかさんは、怒った表情で言うた。
「ゆらは他にも悪いことをたーんとしていたわよ…他の生徒のお弁当をたかるグループのリーダーがゆらだった…お弁当をたかられた生徒に対して『遊びに行ってもいい?』などと言うた…ほんで、晩ごはんになっても家に帰らなかった…ゆらは、うちでごはんを食べるのがイヤなのよ…友だちの家にお泊りばかりしていた…ろくな勉強をしていない…家政科へ行った理由は『行きたい大学がないから…』よ…ゆらはホンマにはぐいたらしい妹よ!!」
ゆなさんは、コップに入っているミネラルウオーターをのんでから言うた。
「ゆらは、大学に行くのがそないにイヤだったのかな?」
「(ゆかさん、怒った表情で言う)その通りよ!!」
ゆかさんは、ピィヤーシをスープにかけながら言うた。
「ゆらが進学したコーコーは、4年制の付属の大学があったのよ…せやけど…ゆらは拒否して家事手伝いを選んだのよ…それからあとはドサイアクだったわよ…働きに出ても3日でやめる…ひどい場合には来て5分でやめる…と言うのがあった…なんでゆらはこなな甘ったれになったのかしらね(ブツブツ…)…」
ゆかさんは、ピィヤーシで味を調整したあと再びそばを食べ始めた。
この時、ゆなさんがゆらさんが甘ったれの性格になった原因を答えた。
「ゆらがドアホになった原因を作ったのは叔母《おば》よ…叔母《おば》がゆらに対して過度に甘やかしていたからあななドアホになったのよ…」
ゆりさんは『それは言えてるわね〜』と言うたあとこう言うた。
「叔母《おば》はなにを考えているのかわからへんけど、結婚したこともないのに育児がどーのこーの…と言うてたわよ…自分の子供でもないのにゆらを過度にデキアイした…あれ、ホンマに腹たつわねぇ!!」
ゆりさんたちは、このあともあーでもないこーでもないと言いながらそばを食べていた。
ゆきさんは、話に入ることができずにコンワクしながらそばを食べていた。
(ゴーッ…)
時は、夜7時頃であった。
イワマツグループの全メンバーたちが乗り込んだ専用機が南《はえ》ぬ石垣空港から飛び立った。
専用機は、南太平洋の上空を通って目的地へ向かった。
夜8時頃であった。
私は、窓に写る星空を見ながらCDウォークマンで歌を聴いていた。
イヤホンから世良公則《せらまさのり》さんの歌で『あんたのバラード』が流れていた。
歌を聴いている私は、星空を見つめながらつぶやいた。
ゆりさんたちは、ゆらさんのどういう部分がキライなのか…
ゆらさんが性格の悪い子に育った原因は…
何なのか?
よく分からない…
それから2時間後であった。
歌を聴きながら考え事をしていた私は、知らないうちに眠りについた。
この時、ドナ姐《ねえ》はんが私のもとにやって来た。
ドナ姐《ねえ》はんは、ブランケットを私のひざにゆっくりとかけた。
ドナ姐《ねえ》はんは、小さなテーブルに置かれている世良公則&ツイストの全曲集のCDケースの中から歌詞カードを取り出したあと、子守唄で『あんたのバラード』を小声で歌っていた。
イワマツグループの全メンバーたちは、南《はえ》ぬ石垣空港にいた。
他の航空機との時間調整のために専用機が待機していた。
場所は、空港ターミナルビル内にある立ち食い式の八重山そば屋にて…
イワマツグループの全メンバーたちは、一杯500円の八重山そばで朝食を摂っていた。
この時、ゆきさんが店にいなかった。
ゆきさんは、電話の応対をしていたので席を外していた。
ゆきさんは、店から30歩先の場所で電話の応対をしていた。
電話は、いとからであった。
二つ折り(ケータイ)で電話の応対をしているゆきさんは、受話器ごしにいるいとに対して困った声で言うた。
「もしもしおかーちゃん、いつ帰って来るのと言われても困るわよ…ゆらねーちゃんがもめ事を起こすたびに予定変更をしいられるのはイヤやさかいに…今のうちらはゆとりがないのよ!!…おかーちゃん、うちの話を聞いてんの!?…もうええ!!」
(ガチャーン!!)
思い切りブチ切れたゆきさんは、電話をガチャーンと切ったあと二つ折りをポーチにしまった。
その後、店のカウンターに戻った。
八重山そばを食べているゆかさんは、カウンターに戻ってきたゆきさんに声をかけた。
「ゆき、早く食べなよ…そばのびちゃうわよ〜」
「そないに言わんでも分かってんねん…」
「どこから電話がかかったのよ?」
「おかーちゃんよ〜…ゆらねーちゃんがもめ事を起こすたびにいつになったら帰るの…と言うからうんざりよ!!」
ゆきさんは、食べかけの八重山そばを再び食べ始めた。
ゆきさんの左となりにいるゆりさんは、近くに置かれていたピィヤーシ(ピリから)の小びんを手にしたあと、味を調整した。
ゆりさんは、ピィヤーシで味を調整しながら言うた。
「おかーちゃんの心細い気持ちは分かるけど、うちらは堺市《さかい》に帰ることができんねん…そないに心細いと言うのであれば、外へ出ればええのに…ゲートボールでも社交ダンスでも生け花でもアートでも…習い事に行けば、世界が広くなるのよ…遥輝《はるき》も遥輝《はるき》でムカンシンだからますますアカンねん…」
この時、ゆりさんの左となりにいるゆなさんがゆりさんに声をかけた。
「ゆりねーちゃん、ゆりねーちゃん…ピリから入れすぎてんねん…」
「えっ?」
ゆなさんから入れすぎと言われたゆりさんは、スープをひとくちすすってみた。
「ちょうどええ味やん…」
ゆかさんは、困った声で言うた。
「ゆらはちいちゃい時から刺激物ばかりを摂っていたのよ…せやけん、キレてしまう子に育ったのよ…おかーちゃんとおとーちゃんとうちらは、ゆらに対してバランスの摂れた食事しなさいと言うたのに…ゆらは言うことをきかへんかった…おねーちゃん、ゆらは中学高校にいた時お弁当を持っていかなかったよね。」
ゆりさんは『ああ、せやったね〜持って行かなかったわ…』と答えた。
ゆかさんは、ピィヤーシを少し入れたあとスープにまぜながら言うた。
「ゆらはその時、他の生徒のお弁当を分けてもろて食べていたわよ…(友だち)ちゃんのおかーちゃんが作ったお弁当はサイコーねと言うてたわ…ほんで、おかーちゃんは弁当を作るのがドヘタ…と言うてたわよ…」
ゆかさんの右ふたつとなりにいるゆみさんは、スープをひとくちすすってから言うた。
「ああ、ゆらはたしかにそない言うてたわ…ゆらはおかーちゃんが早起きして一生懸命にこしらえたお弁当のありがたみが分からないのよ!!」
ゆかさんは、怒った表情で言うた。
「ゆらは他にも悪いことをたーんとしていたわよ…他の生徒のお弁当をたかるグループのリーダーがゆらだった…お弁当をたかられた生徒に対して『遊びに行ってもいい?』などと言うた…ほんで、晩ごはんになっても家に帰らなかった…ゆらは、うちでごはんを食べるのがイヤなのよ…友だちの家にお泊りばかりしていた…ろくな勉強をしていない…家政科へ行った理由は『行きたい大学がないから…』よ…ゆらはホンマにはぐいたらしい妹よ!!」
ゆなさんは、コップに入っているミネラルウオーターをのんでから言うた。
「ゆらは、大学に行くのがそないにイヤだったのかな?」
「(ゆかさん、怒った表情で言う)その通りよ!!」
ゆかさんは、ピィヤーシをスープにかけながら言うた。
「ゆらが進学したコーコーは、4年制の付属の大学があったのよ…せやけど…ゆらは拒否して家事手伝いを選んだのよ…それからあとはドサイアクだったわよ…働きに出ても3日でやめる…ひどい場合には来て5分でやめる…と言うのがあった…なんでゆらはこなな甘ったれになったのかしらね(ブツブツ…)…」
ゆかさんは、ピィヤーシで味を調整したあと再びそばを食べ始めた。
この時、ゆなさんがゆらさんが甘ったれの性格になった原因を答えた。
「ゆらがドアホになった原因を作ったのは叔母《おば》よ…叔母《おば》がゆらに対して過度に甘やかしていたからあななドアホになったのよ…」
ゆりさんは『それは言えてるわね〜』と言うたあとこう言うた。
「叔母《おば》はなにを考えているのかわからへんけど、結婚したこともないのに育児がどーのこーの…と言うてたわよ…自分の子供でもないのにゆらを過度にデキアイした…あれ、ホンマに腹たつわねぇ!!」
ゆりさんたちは、このあともあーでもないこーでもないと言いながらそばを食べていた。
ゆきさんは、話に入ることができずにコンワクしながらそばを食べていた。
(ゴーッ…)
時は、夜7時頃であった。
イワマツグループの全メンバーたちが乗り込んだ専用機が南《はえ》ぬ石垣空港から飛び立った。
専用機は、南太平洋の上空を通って目的地へ向かった。
夜8時頃であった。
私は、窓に写る星空を見ながらCDウォークマンで歌を聴いていた。
イヤホンから世良公則《せらまさのり》さんの歌で『あんたのバラード』が流れていた。
歌を聴いている私は、星空を見つめながらつぶやいた。
ゆりさんたちは、ゆらさんのどういう部分がキライなのか…
ゆらさんが性格の悪い子に育った原因は…
何なのか?
よく分からない…
それから2時間後であった。
歌を聴きながら考え事をしていた私は、知らないうちに眠りについた。
この時、ドナ姐《ねえ》はんが私のもとにやって来た。
ドナ姐《ねえ》はんは、ブランケットを私のひざにゆっくりとかけた。
ドナ姐《ねえ》はんは、小さなテーブルに置かれている世良公則&ツイストの全曲集のCDケースの中から歌詞カードを取り出したあと、子守唄で『あんたのバラード』を小声で歌っていた。