熱愛発覚中
5・夢を見た後で
結婚パーティーから2ヶ月が経った。

…今日ほど間違ってくれと心の底から願ったことはないと思う。

トイレの照明が暗いからとか私の目が悪いからとか、そんなものでこの状況がまかり通るならば苦労しないだろう。

私は目を閉じると、自分の気持ちを落ち着かせるために深呼吸をした。

落ち着け、今のは見間違いかも知れない…。

ただ単に遅れている可能性だってあるかも知れないんだから…。

心の中でブツブツと呟きながら、私はもう1度この状況を確かめるために目を開いた。

手元のそれーー妊娠検査薬に視線を落とすと、
「ーー陽性って…」

先ほどと変わらない結果に私は思わず目をそらした。

説明書を読み返して、比べてみるけれど…その通りだった。

「ーーウソだと言ってくれよ…」

私は呟くと、ふたが閉じてある便器のうえに腰を下ろした。

心当たりがあるとするならば、結婚パーティーの後で起こった“あれ”なのかも知れない。
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