熱愛発覚中
「よ、酔っている人は自分から“酔っている”なんて言わないと思う」

牛島さんとの距離が近い。

体勢も体勢だから、なおさらだ。

照明はついていないから顔はわからないけれど、私の顔はきっと真っ赤だと思う。

「ああ、そうかよ」

牛島さんは返事をした。

「とりあえず、早く離れてくれない?

重くて仕方がないんだけど」

「俺がデブだって言いたいのか?」

「そんなことは言ってないけど」

この気持ちをあなたに知られるのが嫌だから離れて欲しい。

体勢も体勢だから、いろいろと勘違いをしてしまいそうだから怖い。

「悪ふざけはやめてくれって言ってるの」

私がそう言ったら、
「…誰がふざけているんだよ」

牛島さんの声のトーンが低くなった。
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