熱愛発覚中
「…バスルーム、空いたから」

私が声をかけたら、
「ああ、わかった」

牛島さんは返事をすると、ソファーから腰をあげた。

彼は頭をガシガシとかきながら、私の横を通り過ぎた。

すぐにバスルームのドアが開閉する音が聞こえた。

「ーーまあ、そうだよね…」

期待していたと言う訳ではない。

昨夜の出来事は…牛島さんは酔っていた訳だし、私は夢だと自分に言い聞かせた。

でも、
「ーー何か言ってくれてもいいじゃない…」

そう呟いたら、牛島さんに期待を抱いていた自分が情けなかった。

期待したところで関係がどう進むかなんてわからないし、期間限定だからもうこのままでいいんじゃないかと思っている。

「ーーもう、そうしよう…」

私は自分に言い聞かせた。

 * * *
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