熱愛発覚中
「ーーよし…」

気持ちは、落ち着いた。

今のは見間違いだ。

生理が遅れているのはいつものことだから、今回のこともただ単に遅れているだけだ。

「ーー大丈夫だ、大丈夫…」

自分に言い聞かせるように呟いて、ゆっくりと目を開いた。

説明書と妊娠検査薬に視線を向けると、
「ーー陽性って…」

結果は、先ほどと何も変わっていない。

それを受け止めるのが嫌で、説明書を読み返すけれど…妊娠検査薬に表示された結果は変わらなかった。

つまり…私は妊娠した、お腹の中に赤ちゃんがいると言うことになる。

心当たりは2ヶ月前の結婚パーティーが終わった後の出来事で間違いないだろう。

「ーーウソだと言ってくれよ…」

そう呟いたところでどうにかなるならば誰だって苦労しないのはわかっているけれど、そう呟かずにいられなかった。
< 136 / 225 >

この作品をシェア

pagetop