熱愛発覚中
好きな人との間に子供ができたと言うのは、めでたいことのはずなのに…それを喜ぶことができない。

それどころか、この事実を受け止めたくない誰か取り消して欲しいと大きな声で泣き叫びたい自分がいる。

期間限定の関係のはずだったのに…。

1年経ったら終わるはずの関係だったのに…。

「ーーどうしたらいいの…?」

そう呟いたら、私の目から涙がこぼれ落ちた。

手元にあるこの現実を見るのがもう嫌で、私は妊娠検査薬と説明書を箱の中に入れた。

便器から腰をあげたら、足がふらついた。

トイレを出てから部屋へと向かう足取りはとても重くて、自分でもどこを歩いているのかわからなかった。

ようやく部屋に入ってゴミ箱に先ほどの妊娠検査薬を捨てようとしたけれど…もし見つかって、それで問いつめられることになってしまったら面倒だと思ったからやめた。
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