熱愛発覚中
欠勤の電話を入れると、いつものように支度を始めた。

牛島さんの朝は早いらしくて、私が起きて支度を終えた時にはもうすでに彼はいない。

彼と顔をあわせなくて済むことにホッと胸をなで下ろすと、自室を出てリビングへと向かった。

リビングで一流ホテルの元料理人が用意してくれた朝食を食べ終えると、リビングを後にして自室へと戻った。

カバンの中に銀色の袋に包まれた妊娠検査薬が入っていることを確認すると、スマートフォンや財布の貴重品を忘れていないかのチェックをした。

「よし、ないな」

カバンを手に持って何食わぬ顔で自室を後にした。

欠勤することにはなったけれど、家にいる訳にはいかない。

「行ってきます」

靴を履いて中に向かってあいさつをすると、ドアを開けて外を出た。
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