熱愛発覚中
約束の時間が近づいてくると、私は忘れ物がないかの確認をして家を出た。

スマートフォンのマップアプリで産婦人科医院の場所を確かめながら向かった。

「…ここだ」

気持ちを落ち着かせるために深呼吸をすると、中へと足を踏み入れた。

診察が始まったばかりだからと言うこともあって人は少なかったので、渡された問診票を書いたらすぐに診察室へと通してくれた。

緊張しながら全ての診察を受けると、
「妊娠していますね」
と、担当した先生は言った。

「で、ですよね…」
と、私はそれしか言うことができなかった。

わかっていたことだけれど、間違いであって欲しいと心のどこかでは思っていた。

妊娠検査薬の結果が全てじゃないと思うから、病院でちゃんとした検査を受けたらもしかしたら何かの間違いだと言われるかも知れないと思っていた。
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