熱愛発覚中
牛島さんと一緒にリビングに入ると、ソファーに向きあうようにして腰を下ろした。

まるであの日ーー牛島さんと結婚の確認をして契約書と婚姻届と離婚届に全てサインした日ーーのようだと、私は思った。

あの日からずいぶんと時間は経ったはずなのに、まるで昔のことのように感じたのは私の気のせいだろうか?

「それで話と言うのは?」

牛島さんが口を開いて話を切り出した。

「単刀直入に言います」

私はそう言って前置きをした後で、
「妊娠しました」
と、言った。

「えっ…?」

牛島さんは切れ長の目を大きく見開かせた。

「に、妊娠…?」

訳がわからないと言うように聞き返してきた牛島さんに、
「あなたの子供が私のお腹の中にいます」
と、私は言った。

信じられないと言った様子で、牛島さんは私の顔を見つめていた。
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