熱愛発覚中
酔った勢いの出来事がこんな結果になったのだから思ってもみなかったことだろう。

「ーーもしかして、今日1日…」

「ええ、この街のじゃないですけれど病院に行って検査をしました」

牛島さんをさえぎるように、私は言った。

私は彼の顔をじっと見つめると、
「蓮司さん…いえ、牛島さん」
と、彼の名前を呼んだ。

彼のことを名字で呼んだのは、やはりあの日以来だろうと思う。

自嘲気味に笑いたくなった気持ちを隠すように、私は唇を開いた。

「ーー私と離婚してください」

牛島さんに向かって、私は言った。

「ーーはっ…?」

言われた牛島さんは訳がわからないと言う顔をしていた。

そりゃそうか、当然か…と、私は他人事のようにそんなことを思った。

まあ、所詮は“他人”な訳なんだけど。
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