熱愛発覚中
「お腹の中の子供は、私1人で育てます。

あなたに決して迷惑はかけません。

養育費はもちろんのこと、認知の要求もしません。

あなたが望むならば、もう一生あなたの前に姿を見せませんから」

私は…今、どんな顔で牛島さんを見つめて話をしているのだろうか?

突然聞かされた牛島さんの心の中は穏やかじゃないだろう。

信じられない、訳がわからないと言いたいだろうし、怒鳴りたいだろう。

そんな信じられないことや訳がわからないことを言ったのは自分のくせに、怒鳴りたいこの状況を作ったのは自分のくせに…なのに、彼の心の中を心配している自分に呆れた。

他人の心の中を心配する資格なんてないのに…と思いながら、私は牛島さんから目をそらした。

「なので…」

私はもう1度牛島さんを見つめると、
「私と離婚してください」
と、言った。
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