熱愛発覚中
「それは契約だし、1年と言う期間限定だったし…蓮司さんは蓮司さんであの夜のことを何も言わないし、もしかしたら触れられるのが嫌だったのかなと思ってた訳で…」

言いたいことがまとまらなくてただただ言い返しているだけのその姿がかわいいと思ってしまったのはここだけの秘密だ。

自分が悩んでいたように、莉理も莉理で同じように悩んでいたのだと言うことがわかった。

悩んでいたから言うことができなくて触れることができない、妊娠したけれど打ち明けられることができなくて悩んで…それが、このような結果になってしまったのだろう。

(口に出してみないと伝わらないものなんだな…)

今回の件で、それが痛いほどに理解した。

「話を簡単にまとめるとするならば、俺たちは両思いだった…と言うことだよな?」

蓮司がそう言ったら、
「そ、そのようですね…」

困ったように言った莉理と顔を見あわせた後で、一緒に首を縦に振ってうなずいた。
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