熱愛発覚中
チラリと彼女の隣に座っている吉行に視線を向けると、彼は目をそらした。

「私も申し訳ないとは思ったんですよ?

でも飯塚さんがしつこくてしつこくて…」

口では申し訳なさそうに言っているけれど、表情からはそんな様子は微塵すらもない。

完全に舐めているな、これは。

まさか、自分が妹のようにかわいがっていた職場の後輩に彼氏を奪われるとは夢にも思っていなかったことだろう。

「ーーそう言うことだから」

それまで何も言わなかった吉行がようやく口を開いたかと思ったら、そんなことを言った。

「仕方ないですよね〜」

美世ちゃんは私や周りに見せつけるように、吉行の腕を組んだ。

「何あれ、修羅場…?」

「おい、大丈夫かよ…」

「これは…どうなっちゃうの!?」

周りがザワザワとおもしろがって私たちを見ているのがわかった。
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