熱愛発覚中
さすが金持ち、桁が違い過ぎる。

生まれながらの庶民である私には程遠い話だと心の中でブツブツと呟いていたら、牛島さんが待っているリビングに到着した。

「やっときたか、あまりにも遅いから迷っているんじゃないかと思ったぞ」

そう言った牛島さんに、
「道のりがわかりやすかったので特に迷いませんでした」
と、私は言い返した。

「じゃあ、そこに座って」

牛島さんに1人掛けのソファーに座るように言われたので、私はそこに腰を下ろした。

私が座ったことを確認すると、彼はその向かい側のソファーに腰を下ろした。

テーブルのうえに置いてある封筒を牛島さんは手に取ると、
「それじゃあ、改めて確認をしようか」
と、言った。

「はい」

私が返事をしたことを確認すると、牛島さんは封筒から中身を取り出した。
< 33 / 225 >

この作品をシェア

pagetop