熱愛発覚中
牛島さんは婚姻届と離婚届を確認すると、離婚届を封筒の中に入れた。

「後はこれを役所に提出すれば俺とあんたは夫婦になる、父を安心させるための１年間だけの結婚生活はスタートだな」

牛島さんは言った。

「その…」

「んっ？」

「私のことを“あんた”と呼ぶのはやめてもらえませんか？

私にも名前はある訳ですし…１年間だけとは言え、相手から“あんた”と呼ばれるのはいい気がしないです」

私は牛島さんに向かって言った。

「そうだな、それはよくないか…」

牛島さんは少しだけ考えると、
「それじゃあ、“莉理”と呼ぶことにするか」
と、言った。

「えっ…！？」

思わず聞き返したら、
「何だ、俺に“あんた”と呼ばれたくないって言っただろ？」
と、牛島さんは不満そうに言い返してきた。
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