熱愛発覚中
「アイドルのCDなんて1枚買えば充分なのに、握手会やライブチケットのために100枚く近くも買っているんだよ!?

北は北海道、南は福岡とライブの遠征までしちゃって本当にバカみたい!

手の届かない人間には金を使いまくってるくせに、身近にいる人間には金を使わないなんて本当に最低よねー!」

「そう言えば…」

美世ちゃんは何かを思い出した様子で呟いた。

どうやら心当たりがあるみたいだ。

「借金だけだったら私もまだ我慢できたかも知れないけどさ、こいつとつきあって特に嫌だったのは親!

こいつの実家に行くたびに毎回のように嫌味は言われるし、手土産にはケチをつけられるし、こいつはこいつで全然助けようともしなければフォローしようともしない!

思い出しただけで本当に気分が悪くなるわ!」

私はゲーッと大げさに嘔吐をしているフリをしてみせた。
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