熱愛発覚中
「莉理」

牛島さんが私の名前を呼んだので、
「何？」

私は聞いた。

「手…」

「うん？」

手がどうしたのだろうかと思いながら、私は彼に自分の手を見せた。

牛島さんは自分の手を重ねるようにして、私と手を繋いだ。

手を繋ぎたかったのか…って、口に出して言えばいいだけの話だろう。

ジロッ…と視線を向けたら、
「何だ？」

牛島さんが気づいたと言うように声をかけてきた。

「遠回しなことをするんだなって思って」

そう言った私に、
「どう言う意味だ？」

牛島さんは訳がわからないと言った様子で聞いてきた。

「手を繋ぎたいなら繋ぎたいって言えばいいですよって言う話、よっぽどのことがない限りは断りませんから」

彼の顔を見ながら、私はその問いに答えた。
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