熱愛発覚中
渡り廊下を渡ってエレベーターで10階へと向かった。

「普段からこうしてお父様のところへ…?」

エレベーターの中で声を潜めて聞いた私に、
「まあな、いい運動になると思ってるけど」

牛島さんは同じように声を潜めると質問に答えた。

エレベーターが10階に到着した。

牛島さんについて行くようにして歩いていたら、“牛島”と名前が書いてある病室に到着した。

1031号室、ここが牛島さんのお父さんの病室みたいだ。

牛島さんがコンコンとドアをたたいたら、
「どうぞ」
と、部屋の中から声が聞こえた。

「いいか?」

何故か私の顔を見て聞いてきた牛島さんに、
「いいよ」
と、私は返事をした。

何で私の顔を見たうえに聞いてきたんだ…?

よくわからなくて首を傾げていたら、牛島さんは病室のドアを開けた。
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